![]() 固体タンパク質製剤
专利摘要:
注射または点滴などによる投与に適した形態で固定化タンパク質、例えば、治療用タンパク質を、溶出液と組み合わせて、安定貯蔵するための送達手段を含むシステムが提供される。 また、タンパク質の一段階投与に適した形態でクロマトグラフィー媒体に吸着されるタンパク質も提供される。 送達手段の例として、薬剤充填済注射器や薬剤充填済点滴モジュールなどがあり、また、タンパク質の例として、治療に有用な抗体などがある。 また、固定化タンパク質の製造方法と、固定化タンパク質、例えば、治療用タンパク質の使用方法も提供される。 公开号:JP2011507558A 申请号:JP2010523156 申请日:2008-08-29 公开日:2011-03-10 发明作者:ヒマンシュ ガドギル, 申请人:アムジエン・インコーポレーテツド; IPC主号:A61K9-00
专利说明:
[0001] [関連出願に関する相互参照] 本願は、2007年8月31日に出願された米国仮特許出願第60/969,544号の優先権を主張する。] [0002] 本願の開示は、一般的に、治療用タンパク質の貯蔵と患者への送達のための分野に関する。] 背景技術 [0003] 治療上重要なタンパク質を含めたすべてのタンパク質での個々のペプチド鎖の一次構造は、一連のアミノ酸から構成されており、また、それらの内の幾つかは、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、ヒスチジン、アルギニン、および、リシンなどのイオン性側基を有している。 これらのイオン性残基が、タンパク質に存在することで、タンパク質のpI、または、全体的正味電荷を喪失したタンパク質でのpHに対して影響が及ぶこととなる。 以前より様々なタンパク質緩衝剤が知られており、そして、これら組成物は、タンパク質の安定性を損なうほど大きなpH変化からタンパク質を保護する。 とはいえ、緩衝剤が、タンパク質のpIにおいて、タンパク質含有組成物のpHをきっかりと維持する必要はなく、また、維持していないこともよくある。 したがって、タンパク質は、正味電荷を有するタンパク質を放出するpH値にまでバッファーリングした適度に安定な組成物において、維持されていることが多い。 バッファーリングしたタンパク質溶液は、タンパク質に対して可溶性を付与するが、かようなタンパク質は、室温下で、数分間の時間をかけて測定を行うことが多く、何日間、何週間、あるいは、何年間もの時間をかけることはない。 加えて、液体形態のタンパク質を、剪断励改質に対して影響を受けやすくすることができる。高濃度のタンパク質での安定性が小さいことも、液剤の欠点である。 すなわち、バッファーリングしたタンパク質組成物は、市販の活性タンパク質、例えば、治療用活性タンパク質を安定させる手段の実現という課題に対して、長きにわたって答えを示すことができないでいた。] [0004] さらに、ある種のタンパク質は、常温下で、長期間にわたって、溶液形態で安定させることができない。 それ故に、そのようなタンパク質の多くが、低温下、凍結条件下、または、凍結乾燥条件下で貯蔵しなくてはならない。 そのような溶液は、貯蔵および/または調製のための費用が嵩むのみならず、利便性も損ねるので、適切とは言えない。] [0005] このように、当該技術分野では、治療用タンパク質や治療用ペプチドなどのタンパク質やペプチドの安定貯蔵のための技術が依然として待望されているのである。 さらに、利便性に優れ、廉価で、そして、臨床用途に容易に供することができる安定貯蔵形態も待望されている。] [0006] 本明細書で詳述する発明は、タンパク質製剤の安定化、貯蔵、および、送達についての全く新規の取り組みを提供するものである。本願発明は、クロマトグラフィー媒体、例えば、一つまたは複数のイオン交換体に非共有結合したタンパク質を維持しつつ、患者に対してタンパク質を直接に送達するために、一つまたは複数の媒体からの容易な溶出または分離を可能とし、そして、常温下での液体形態のタンパク質の貯蔵を不要にすることで、治療抗体のような治療用タンパク質や治療用ペプチドの安定貯蔵を実現する。] [0007] ある実施態様によれば、本願発明は、例えば、一段階投与に適した安定形態の治療用タンパク質などのタンパク質を貯蔵するためのシステム、すなわち、(a)送達手段、すなわち、(i)陽イオン交換体、陰イオン交換体、アフィニティー交換体、および、疎水性の相互作用性交換体からなるグループから選択されるクロマトグラフィー媒体、すなわち、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体が設置されている少なくとも一つのチャンバー、(ii) 導入口、および、(iii) 当該送達手段からの媒体の実質的な流亡を防ぐための媒体量制限器、を含む送達手段、および、(b) 治療有効用量などのような、タンパク質(例えば、治療用タンパク質)の少なくとも一部の放出量が較正された溶出液、を含むシステムを提供する。 ある実施態様によれば、媒体量制限器は、フィルターおよび排出口からなるグループから選択される。 排出口として、媒体の流出を防ぐためのバルブを含むものや、媒体の流出を防ぐ大きさの排出孔を含むものなどがある。] [0008] 多種多様なタンパク質、例えば、天然タンパク質、合成タンパク質、人工タンパク質、および/または、ペプチボディーおよびアビマーなどの融合タンパク質などの治療用タンパク質や治療用タンパク質断片などが、送達手段において好適に使用され、そのようなタンパク質として、多様な形態の抗体(例えば、哺乳動物または哺乳動物細胞などの動物または抗体生産細胞に由来するモノクローナル抗体、または、ポリクローナル抗体、無傷抗体、または、その断片(FabまたはF(ab')2)、すべてのアイソタイプまたは混合アイソタイプのキメラ抗体、ヒト型化抗体、および、ヒト抗体、組換え抗体などの一本鎖分子、および、ラクダ科動物抗体など)などがある。 様々な形態の抗体および抗体様タンパク質に加えて、天然物または人工物、それに、合成物または天然由来物の別に関係なく、当該技術分野で周知のタンパク質(ポリペプチド、および/または、ペプチドを含む)が、本願発明の開示に従って、送達手段に使用することができ、そのようなタンパク質として、構造タンパク質、酵素、ホルモン、成長因子、発現因子を含む調節タンパク質、キメラおよび非キメラ多鎖構造タンパク質、一本鎖タンパク質、ペプチボディーまたはアビマーなどのFc-融合タンパク質などの融合タンパク質、および、これらタンパク質の断片、誘導体、または、変異体などがあるが、これらに限定されない。] [0009] ある実施態様によれば、治療用タンパク質は、エタネルセプト(エンブレル登録商標、TNF遮断薬)、エリスロポエチン、ダルベポエチンアルファ(アラネスプ登録商標、EPO類似体)、フィルグラスチム(ニューポジェン登録商標または組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子(r-metHuG-CSF))、および、ペグフィルグラスチム(ニューラスタ登録商標、ペグ化フィルグラスチム)からなるグループから選択される。 治療用タンパク質の実施態様として、ヒュミラ(アダリムマブ)、シナジス(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号公報を参照されたい)、ベクチビックス(パニツムマブ)、リツキサン(リツキシマブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23モノクローナル抗体(ルミリキシマブ)、M200(ボロシキシマブ)、抗クリプトモノクローナル抗体、抗BR3モノクローナル抗体、抗IGFIRモノクローナル抗体、タイサブリ(ナタリズマブ)、ダクリズマブ、ヒト型化抗CD20モノクローナル抗体(オクレリズマブ)、可溶性BAFFアンタゴニスト(BR3-Fc)、抗CD40Lモノクローナル抗体、抗TWEAKモノクローナル抗体、抗IL5受容体モノクローナル抗体、抗ガングリオシドGM2モノクローナル抗体、抗FGF8モノクローナル抗体、抗VEGFR/Flt-1モノクローナル抗体、抗ガングリオシドGD2モノクローナル抗体、アクチライズ登録商標(アルテプラーゼ)、メタライズ登録商標(テネクテプラーゼ)、CAT-3888およびCAT-8015(抗CD22dsFv-PE38複合体)、CAT-354(抗IL13モノクローナル抗体)、CAT-5001(抗メソテリンdsFv-PE38複合体)、GC-1008(抗TGF-βモノクローナル抗体)、CAM-3001(抗GM-CSF受容体モノクローナル抗体)、ABT-874(抗IL12モノクローナル抗体)、リンフォスタットB(ベリムマブ;抗BlySモノクローナル抗体)、HGS-ETRl (マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1モノクローナル抗体)、HGS-ETR2(ヒト抗TRAIL受容体-2モノクローナル抗体)、アブスラックス商品名(ヒト、抗防御抗原(炭疽菌由来)モノクローナル抗体)、MYO-029(ヒト抗GDF-8モノクローナル抗体)、CAT-213(抗エオタキシン1モノクローナル抗体)、アービタックス、エプラツズマブ、レミケード(インフリキシマブ;抗TNFモノクローナル抗体)、ハーセプチン登録商標(トラスツズマブ)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ベクチビックス(パニツムマブ)、レオプロ(アブシキシマブ)、アクテムラ(抗IL6受容体モノクローナル抗体)、アバスチン、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、HuMax-CD20(オファツムマブ)、HuMax-EGFr(ザルツズマブ)、HuMax-インフラム、R1507(抗IGF-lRモノクローナル抗体)、HuMax HepC、HuMax CD38、HuMax-TAC(抗IL2Raまたは抗CD25モノクローナル抗体)、HuMax-ZP3(抗ZP3モノクローナル抗体)、ベキサール(トシツモマブ)、オルソクローンOKT3(ムロモナブ-CD3)、MDX-010(イピリムマブ)、抗CTLA4、CNTO 148(ゴリムマブ;抗TNFα炎症モノクローナル抗体)、CNTO 1275(抗IL12/IL23モノクローナル抗体)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、HuMax-CD20(オファツムマブ)、HuMax-EGFR(ザルツズマブ)、MDX-066(CDA-I)およびMDX-1388(抗クロストリジウム・ディフィシル毒素Aおよび毒素BCモノクローナル抗体)、MDX-060(抗CD30モノクローナル抗体)、MDX-018、CNTO95(抗インテグリン受容体モノクローナル抗体)、MDX-1307(抗マンノース受容体/hCGβモノクローナル抗体)、MDX-1100(抗IP10潰瘍性大腸炎モノクローナル抗体)、MDX-1303(バロルティム商品名)、抗炭疽菌アンスラックス、MEDI-545(MDX-1103、抗IFNα)、MDX-1106(ONO-4538;抗PDl)、NVS抗体#1、NVS抗体#2、FG-3019(抗CTGF特発性肺線維症フェーズI試験終了ファイブロジェ ン)、LLY抗体、BMS-66513、NI-0401(抗CD3モノクローナル抗体)、IMC-18F1(VEGFR-I)、IMC-3G3(抗PDGFRα)、MDX-1401(抗CD30)、MDX-1333(抗IFNAR)、シナジス(パリビズマブ;抗RSVモノクローナル抗体)、キャンパス(アレムツズマブ)、ベルケード(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7モノクローナル抗体)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体モノクローナル抗体)、シムレクト(バシリキシマブ)、プレクセジ(ルミラコキシブ)、ゾレア(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSAモノクローナル抗体)、IL-1 Trap(ヒトIgGlのFc部分および双方のIL-1受容体成分(I型受容体および受容体付属タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgGl Fcに融合したVEGFRlのIgドメイン)、ゼナパックス(ダクリズマブ)、アバスチン(ベバシズマブ)、モノクローナル抗体セラ(リツキシマブ)、モノクローナル抗体セラRA(リツキシマブ)、タルセバ(エルロチニブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、ゼチーア(エゼチミブ)、ジットリン(エゼチミブおよびムバスタチン)、アタシセプト(TACI-Ig)、NI-0401(クローン病における抗CD3)、アデカツムマブ、ゴリムマブ(抗TNFαモノクローナル抗体)、エプラツズマブ、ゲムツズマブ、ラプティヴァ(エファリズマブ)、シムジア(セルトリズマブペゴール、CDP870)、(ソリリス)エクリズマブ、パキセリズマブ(抗C5補体)、MEDI-524(ヌマックス)、ルーセンティス(ラニビズマブ)、17-1A(パノレックス)、トラビオ(レーデリムマブ)、セラシムhR3(ニモツズマブ)、オムニターグ(パーツズマブ)、オシデム(IDM-1)、オバレックス(B43.13)、ヌヴィオン(ビジリズマブ)、および、カンツズマブなどの治療抗体もある。本願発明のその他の実施態様は、ペプチドホルモン、ペプチドリガンド、それに、サイトカインやケモカインなどのシグナリング分子、あるいは、ナトレコール(ネシリチド;rhB型ナトリウム利尿ペプチド)、エリスロポエチン(前出)、インスリンなど、治療効果を奏することが知られているタンパク質など、抗体でない治療用タンパク質を含む。] [0010] 本願発明のある特定の実施態様によれば、治療用タンパク質は、少なくとも7.0のpI値を有している。 大抵の場合、タンパク質のpIに関する計算値または決定値とタンパク質が安定性を示すpHの範囲を検討することで、適切な添加液および溶出液、ならびに、イオン交換体である適切なクロマトグラフィー媒体の選択に至る。 例えば、pH 7〜9において安定で、7のpI値を示すタンパク質は、そのタンパク質が、正味の負電荷を有し、かつ、陰イオンとして作用するpH 8.0において、陰イオン交換体を含む添加液に対して加えることができる。 当業者であれば、そのタンパク質が、十分な活性、例えば、治療活性を保持しうるpHにおいて安定性に問題がなければ、同じタンパク質が、(所望のpHを維持するための好適な添加液を用いて調整した)7に満たないpHでも、陽イオン交換体に対して加えることができる、と認識するであろう。] [0011] このシステムは、疎水性の相互作用性交換体、アフィニティークロマトグラフィー媒体、スルホプロピル含有吸着剤や塩基性媒体などの陰イオン交換体(弱性または強性の交換体のいずれか)、または、カルボキシメチル、スルホプロピル、または、メチルスルホン酸塩含有吸着剤や塩基性媒体などの陽イオン交換体(弱性または強性の交換体)などの媒体をも含むことができる。] [0012] 媒体と溶出した治療用タンパク質の同時投与を阻害または予防するために、ある実施態様によれば、例えば、少なくとも一回の投与量の治療用タンパク質を投与した際に、媒体の流亡を防ぐために、媒体量制限器を、インラインフィルターのようなフィルターとする。 また、媒体の流亡を防ぐ大きさの排出孔を具備した媒体量制限器を含む排出口も意図している。] [0013] 本願発明のシステムのある特定の実施態様によれば、送達手段は、一つまたはそれ以上のチャンバーを具備した注射器、例えば、一つまたは二つのチャンバーを具備した注射器のような注射器を含むことができる。 二つのチャンバーを具備した注射器では、媒体は、少なくとも一回の投与量の少なくとも一つの治療用タンパク質に対して結合しているかどうかにかかわらず、一方のチャンバーに置かれている。 二つ以上のチャンバーを具備した注射器にあっては、媒体は、一つのチャンバー、通常は、排出口に最も近いチャンバーに集約される。 二つのチャンバーを具備した注射器を含むシステムの幾つかの実施態様では、液体の流れを妨げるために、二つのチャンバーの間に感圧バリアが設けられている。 注射器のプランジャーを押圧して、溶出液の圧力を高めるなどして、高い圧力をかけることで、このバリアは破られる。] [0014] 本願発明のシステムにおいて意図している事項として、タンパク質、例えば、治療用タンパク質が投与される個体に対して生理学的に許容可能な溶出液がある。] [0015] 本願発明において関連する実施態様は、前述したシステムの製造方法、すなわち、(a)治療用タンパク質などのタンパク質に非共有結合した媒体を含むチャンバーに対して、少なくとも所定量の媒体を加え、および、(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質のような少なくとも一部のタンパク質を溶出するために、溶出液の体積を決定する、工程を含む製造方法に関する。 ある実施態様によれば、媒体が、陽イオン交換体であり、そして、タンパク質(例えば、治療用タンパク質)は、少なくとも7.0のpI値を有している。 同様に、ある実施態様によれば、例えば、送達手段が、注射器または点滴モジュールである場合には、前述したシステムの製造方法、すなわち、イオン交換体を含む緩衝剤を、注射器または点滴モジュールの第二チャンバーに加える工程を含む製造方法を意図しており、当該イオン交換体は、少なくとも一回の投与量の非共有結合したイオン性治療用タンパク質などの非共有結合したタンパク質を有しており、当該緩衝剤は、媒体のpIとは異なるpHを有しており、そして、緩衝剤と接触しているイオン交換体はイオン化されている。] [0016] 本願発明のシステムのその他の製造方法は、送達手段、例えば、注射器の第二チャンバーにイオン交換体を含む緩衝剤を加え、第一チャンバーと第二チャンバーとの間に第一バリアを設け、そして、第一チャンバーに対して溶出液を加える工程を含み、当該イオン交換体は、少なくとも治療有効量の非共有結合したイオン性治療用タンパク質などの非共有結合したタンパク質を有しており、当該緩衝剤は、媒体のpIとは異なるpHを有しており、そして、緩衝剤と接触しているイオン交換体はイオン化されている。] [0017] 本願発明の他の実施態様は、(a)陽イオン交換体、陰イオン交換体、アフィニティー交換体、および、疎水性の相互作用性交換体からなるグループから選択されるクロマトグラフィー媒体、すなわち、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合しているなど、少なくとも一つのタンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体が設置されている少なくとも一つのチャンバー、(b) 導入口、(c) 排出口、および、(d)送達手段からの媒体の実質的な流亡を防ぐための媒体量制限器、を含む送達手段に関するものである。 本願発明のある特定の実施態様によれば、タンパク質は、治療用タンパク質であり、そして、ある実施態様によれば、治療用タンパク質は、抗体である。 本願発明でのその他のタンパク質として、エタネルセプト、エリスロポエチン、ダルベポエチンアルファ、フィルグラスチム、および、ペグフィルグラスチムなどがあるが、これらに限定されない。 送達手段の媒体としては、カルボキシメチル基、スルホプロピル基、および、メチルスルホン酸塩からなるグループから選択される官能基を有する陽イオン交換体などの陽イオン交換体がある。 送達手段のある実施態様によれば、例えば、媒体を含むチャンバーからの媒体の流亡を防ぐ目的で、送達手段からの媒体の流亡を防ぐためのインラインフィルターのようなフィルターを含む。 本願発明の送達手段の実施例では、媒体を含むチャンバーからの媒体の流亡を防ぐ大きさの排出口を具備している。] [0018] 本願発明のある特定の実施態様によれば、この送達手段は、注射器または点滴モジュールである。 送達手段(例えば、注射器または点滴モジュール)は、二つのチャンバーを含んでおり、その一方のチャンバーに媒体が集約されている。 ある実施態様によれば、送達手段(注射器または点滴モジュール)は、二つのチャンバーを分離する感圧バリアをさらに含む。 送達手段の実施態様として、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合しているなど、少なくとも一つのタンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を含むことも意図している。 この送達手段は、生理学的に許容可能な溶出液をさらに含むことができる。] [0019] 本願発明の他の実施態様は、前述したシステムまたは送達手段を用いて、個体に治療用タンパク質などのタンパク質を投与する方法であって、以下の工程、すなわち、(a) 少なくとも一つのタンパク質、例えば、治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合した媒体と溶出液とを接触させ、(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質を溶出するなどして、少なくとも一部のタンパク質を溶出し、および、(c) 溶出したタンパク質、例えば、少なくとも一つの治療有効量の溶出した治療用タンパク質を送達手段から放出し、それにより、個体に対して、タンパク質、例えば、治療用タンパク質を投与する、工程を含む方法に関する。 この個体とは、治療用タンパク質などのタンパク質を必要とする動物であって、ヒトなどの動物、家畜動物、ペット動物などである。 関連する態様によれば、本願発明は、個体にタンパク質(例えば、治療用タンパク質)を投与する方法、すなわち、(a) 少なくとも一つのチャンバーを具備した注射器または点滴モジュールの一つのチャンバー内に設置された媒体、すなわち、少なくとも一つの治療有効量のタンパク質(例えば、治療用タンパク質)などの少なくとも一つのタンパク質に非共有結合した媒体を溶出液と接触させ、(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質を溶出させるなどして、タンパク質の少なくとも一部を溶出させ、および、(c) 注射器または点滴モジュールから溶出したタンパク質(例えば、治療用タンパク質)を放出し、それにより、治療有効量の治療用タンパク質などのタンパク質の一部を個体に投与する、工程を含む方法を提供する。] [0020] 本願発明のある特定の実施態様によれば、タンパク質、例えば、治療用タンパク質は、抗体である。 ある実施態様によれば、接触工程は、媒体を含むチャンバーの導入口を覆っている液体を通さないバリアを破る工程を含む。 バリアの破り方は、当該技術分野で周知の方法に従った方法を用いることができる。 タンパク質の投与方法に関するある実施態様によれば、このシステムは、注射器の内面に対して密閉嵌合したヘッド部材を含むシリンジプランジャーをさらに含むことを明確に意図している。 これら実施態様によれば、この破り工程は、シリンジプランジャーを作動させて、膜に液圧を加えることによって行われる。 ある実施態様によれば、この液体を通さないバリアは、バリアに穴を開けたり、あるいは、バリアに傷を入れることが可能な突起物によって破ることができ、例えば、大きな液圧だけでバリアを破る以前に、チャンバー2内の十分な液体を介して、シリンジプランジャーのヘッドをバリアに突き当てることによって破ることができる。 バリアの破壊は、バリアに接触し、そして、バリアの部分的な崩壊をもたらすシリンジプランジャーヘッドの突起による効果と、シリンジプランジャーの作動に関係するバリアに作用する大きな液圧が寄与する効果との組み合わせによって達成される。 この段落で言及した治療用タンパク質のいずれの投与方法においても、治療用タンパク質として、抗体を用いることができ、あるいは、エタネルセプト、エリスロポエチン、ダルベポエチンアルファ、フィルグラスチム、および、ペグフィルグラスチムからなるグループから選択することもできる。] [0021] 本願発明の他の実施態様は、タンパク質を投与するための点滴モジュールまたは注射器を含むキットに関し、この点滴モジュールまたは注射器は、タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体と、それらの使用に関する指示事項を記した添付書面を含む。] [0022] 本願発明のさらに他の実施態様は、疾患の治療剤を製造するためのタンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体の使用に関する。] [0023] 本願発明のその他の特徴事項および利点は、以下に示す、図面の簡単な説明および発明の詳細な説明を参照することで容易に理解されるであろう。] [0024] 本願明細書の末尾には、本願発明に関する事項を詳細に記載し、かつ、識別可能に特許請求している特許請求の範囲の欄が設けられているが、本明細書に添付した図面を参照しつつ、以下の発明の詳細な説明を考慮することで、本願発明は、さらに十分に理解できるものと思料される。 幾つかの図面については、ある特定の構成要素を明確にするために、その他の構成要素を削除して図面を簡略して記載してある。 本願明細書での対応する記述において特に断りの無い限りは、幾つかの図面におけるかような構成要素の削除は、必ずしも、本願発明の実施態様での当該要素の有無を規定するものではない。 いずれの図面にも寸法は記載されていない。 全図に関して、様々な実施態様において同様の作用を示す要素については、同様の符号を付与するようにした。] 発明を実施するための最良の形態 [0025] 本明細書に記載のシステム、送達手段、および、方法は、治療用タンパク質のようなタンパク質を、処置を必要としている動物に対して送達または投与が可能な形態で、安定性を保ったままで、比較的に長期の貯蔵に供するために調整された方法を提供する。 タンパク質は、送達手段において、クロマトグラフィー媒体に対して非共有結合されており、それにより、貯蔵期間中のタンパク質の安定性が保たれることとなり、また、クロマトグラフィー媒体から溶出することによって、容易に投与可能な形態に調製することができるタンパク質を提供する。 その結果、貯蔵期間中の活性の喪失に起因する無駄を省くことができることとなり、治療抗体、受容体、ペプチドアゴニスト/アンタゴニストなどのタンパク質が、廉価で手軽に入手できるようになる。 したがって、投与用のタンパク質がさらに手頃な価格のものとなり、また、分散的な流通がさらに促されることとなり、遠隔地に所在するヒトや動物の健康管理も、都会と同様のレベルにまで改善されるであろう。] [0026] 本願明細書に記載の物質は、本明細書に記載の用語に関する以下の定義を考慮すれば、その内容は容易に理解できるであろう。 通常は、その用語を明確に指して、その用語が「意味する」ところを言及し、次いで、定義なり同様の文章が続くものであるが、その用語の意味するところに関する文章を用いて、本明細書において、その用語について特に断りがされていない限りは、明確な表現または暗示的な表現のいずれであっても、また、その本来の意味または通常の意味において、その用語は限定的に解釈されるべきではなく、そして、その用語は、(特許請求の範囲の欄に記載の文言以外の)本明細書に記載の文章に基づいて、その範囲を限定的に解釈されるべきではない。 本明細書の末尾に記載の特許請求の範囲の欄に記載の用語が、一つの意味しか見いだせない用語で本明細書に記載されている場合であっても、そのことは、読み手の誤解を回避するための措置に他ならず、また、特許請求の範囲の欄に記載の用語が、一つの意味しか示さない用語であると暗に解釈されたり、他の用語に解釈されるべきではない。] [0027] 定 義 「投与する」という表現は、当該技術分野で認識されている好適な手段による送達、という本来の意味および通常の意味で用いられている。投与形態の例として、経口送達、経肛門送達、直接穿刺、あるいは、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、腫瘍内注射、または、その他の形態の注射、そして、マイクロスフェアまたはビーズなどのような固体担体や挿管が関係しない、眼、耳、鼻、口、肛門、または、尿道口へのゲルまたは液体の塗布などがある。 好ましい投与形態は、注射器、通常は、注射針を具備した注射器による注射である。] [0028] 「有効量」という表現は、投与を受けた生体において、有益な効果をもたらす物質の量であって、その量は、投与目的、投与を受ける生体の大きさや病態、それに、有効量の決定に関係するものであると当該技術分野で認識されているその他の変数に応じて変化する。 有効量を決定するためのプロセスは、当該技術分野で周知の通常の最適化手法を含む。本願発明の「充填済」注射器は、少なくとも一つの用量の治療用タンパク質を含む。] [0029] 「動物」という表現は、非植物、非原生生物という従来の意味で用いられている。 好ましい動物は、ヒトなどの哺乳動物である。] [0030] 「改善する」という表現は、重篤度を緩和する、という本来の意味および通常の意味で用いられている。] [0031] 「医薬組成物」という表現は、ヒトなどの動物の治療のための投与に適した化合物の製剤の意味で用いられている。 一般的な医薬組成物は、動物、例えば、ヒトへの送達または投与が可能であると当該技術分野で認識されている補助剤、賦形剤、担体、または、希釈剤と共に、免疫グロブリンを主成分とする治療剤などの治療剤を含む。 医薬組成物は、マイクロスフェア、ビーズ、イオン交換体などの固形担体に結合した治療剤成分を含まない。 「薬理活性」という表現は、本明細書に記載の物質が、医学パラメーター(例えば、血圧、血球数、コレステロールレベル)、または、病状(例えば、癌、炎症性疾患)に影響を与える活性を有している、ものと決定されるという意味で用いられている。] [0032] 「補助剤」、「賦形剤」、「担体」、および、「希釈剤」という各表現は、当該技術分野で認識されている意味で用いられている。 補助剤とは、同時に投与した免疫原の免疫原性を持続させる作用を呈する一つまたはそれ以上の物質である。 賦形剤とは、治療剤の送達成分、および/または、希釈剤としての作用を呈する不活性物質である。 担体とは、運搬をしている物質の位置を動かすなどして、物質の取り扱い(例えば、治療)を容易ならしめる一つまたはそれ以上の物質である。 希釈剤とは、希釈剤に曝されている物質の濃度を減少または希釈する一つまたはそれ以上の物質である。] [0033] 「一つの媒体」および「複数の媒体」という表現は、細胞培養のための媒体、および、稼働中に細胞を培養するための媒体という意味で用いられている。 本明細書にあっては、「一つの媒体」および「複数の媒体」という表現は、個数に関して互換的に用いることができ、また、単数形の名詞または複数形の名詞であるかは、各文章の文脈を考慮すれば容易に判明するであろう。] [0034] 本明細書に記載の調製物に関して用いた「実質的に均質」という表現は、すべての治療剤成分についての特定の割合に関する断り書きがされていなければ、その調製物が、その調製物のためのすべての治療剤成分において検出が可能な単一種の治療化合物を含んでいる、という意味で用いられている。 一般的に、実質的に均質な調製物は、均質な調製物が示す利点、例えば、ロット間の薬物動態の予測が容易となり、その臨床応用が容易になるという利点を出現させるに十分なほど均質である。] [0035] 「生物有効性」という表現は、所望の生物学的効果を奏する性質のことである。 一般的に、異なる化合物の生物有効性、または、同じ化合物での異なる投与量、または、同じ化合物での異なる投与方法にあっては、適切な比較を行うために、化合物の量は正規化される。] [0036] 「治療」または「治療する」という用語は、病態の進行を阻害、緩和、または、好転する所定量の化合物を、それらを必要とする個体に対して投与することを含む。] [0037] 本明細書において用いる「個体」という用語は、好ましくない疾患、障害、または、病態を有しているか、あるいは、それらが進行する危険性のあるヒトやその他の哺乳動物を表すためのものである。] [0038] 一般的に、「塩」という表現は、当業者が理解しているような、遊離塩基性化合物の塩形態を指す。塩類は、当業者に周知の従来技術によって調製することができる。 一般的に、「薬学的に許容可能な」という表現を、塩に関して用いる場合には、個体への摂取、および/または、投与に関する政府の安全規制ガイドラインに適合する化合物の塩形態のことを指している。 「薬学的に許容可能な塩類」という表現は、アルカリ金属塩の形成や、その他の遊離酸または遊離塩基の塩類の形成のために一般的に用いられている塩類をも包含している。 薬学的に許容されている限りは、塩の性質は重大ではない。 「生理学的に許容可能な塩類」という表現は、公知の塩や塩類、あるいは、後に薬学的に許容可能であると判明した塩や塩類を含む。 具体的な例として、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩や臭化水素酸塩などのハロゲン化水素塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、および、シュウ酸塩などがある。] [0039] 「送達手段」とは、治療用タンパク質などの物質を、動物やヒトなどの個体に供給するための用具である。 一般的に、送達手段は、タンパク質などの物質を具備しており、また、その物質を放出する構成も具備している。 送達手段として、少なくとも一つのチャンバーを含む注射器、そして、少なくとも一つのチャンバーを含む点滴モジュールなどがあるが、これらに限定されない。] [0040] 一般的な送達システム 送達手段 本願発明の送達システムは、送達手段と溶出液とを具備している。 この送達手段は、動物などへのタンパク質の簡便な送達に好適な形態で、治療用タンパク質などのタンパク質の安定貯蔵のための便利な用具を提供する。 この送達手段は、治療用タンパク質などのタンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を含む少なくとも一つのチャンバー、導入口、排出口、および、媒体量制限器を含む。 ヒトまたはその他の動物などにタンパク質を送達する上で好適な当該技術分野で周知の用具も意図しており、注射器の他にも、点滴モジュール、例えば、静脈内に送達システムを導入する上で好適な点滴モジュールなどがある。 本願発明の送達手段として、一つ、二つ、および、それ以上の数のチャンバーを具備した注射器があり、チャンバーの間に設けられたバリアは、送達手段のチャンバーの間を流通する流体に影響が及ぶように設計がされている。 送達手段は、化合物を動物に送達するという送達手段の機能の妨げにならない限りは、ガラス、プラスチック、金属(例えば、ステンレス鋼)、または、当該技術分野で周知の組成物で形成することができる。 一般的に、送達手段の全体形状は円筒状であるが、形状はさほど重要ではなく、その他の全体形状の送達手段も意図している。] [0041] 本願発明では、自動注入器も意図している。エピペン登録商標は、その先端部に設けられた膜を介して患者の体内に薬剤、通常は、アナフィラキシーショックを治療するためのエピネフリンを送達するバネ調整針を具備した自動注入器である。 β-インターフェロンを投与するために市販がされている非滅菌の単回投与用の隠し針を具備した自動注入器として、レビジェクト商品名がある。 エピペン登録商標と同様に、レビジェクト商品名もバネ調整針を具備した器具である。アドレナリン自動注入器も利用可能であり、この器具によれば、片手で操作可能な直感的に安全に行える二工程の活性化手法を用いる。] [0042] このアドレナリン自動注入器も、針を挿入し、そして、所定時間の後に針を抜く、という作業を自動化する空気駆動タイプのプランジャーシステムを利用している。 このような時間設定は、溶離液を注射する以前に、タンパク質に対して非共有結合した媒体に接触するように溶出液が導入される本願発明の器具において有用である。単回投与用の自動注入器を反復投与用にしたものが、ツインジェクト商品名があり、この器具も、その先端部に設けられた膜を介して患者の体内に薬剤を送達するバネ調整針を具備した自動注入器である。 ツインジェクト商品名の商品コンセプトを多様に変えることで、タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を含む第一チャンバーと溶出液を含む第二チャンバーとの間を分離する膜を穿刺するプランジャーを具備した器具が提供される。 一定の時間(例えば、5〜15秒間)にわたって液体を流し出し、そして、器具を、大腿部や臀部などの患者の身体の一部に力強く当接することで、針の挿入と針からの液体の放出の双方を行うバネ調整機構が作用する。 反復投与に利用できる自動注入器も、本願発明の送達手段において有用である。 本願発明の送達手段、または、本願発明のシステムおよび方法での使用に適した好適な自動注入器、ならびに、その構造および用途は、本明細書の一部を構成するものとしてその各々の全内容を援用する米国特許第5,085,642号、第5,102,393号、第6,270,479号、第6,371,939号、および、第7,118,553号に記載されている。 本願発明の自動注入器は、ガス、電気、電気機械的メカニズム、または、機械的メカニズム、好ましくは、エネルギーを貯蔵および放出するための弾性物質、例えば、バネを用いた機械的メカニズムによって駆動させることができる。 この自動注入器は、自動挿入および自動注射を行い、そして、自動撤収(すなわち、自動収納)をすることもできる。] [0043] 媒体量制限器とは、クロマトグラフィー媒体の流出を実質的に防ぐための送達システムの構成要素であり、媒体量制限器としては、好適な孔径のフィルター、または、好適な孔径の排出口(すなわち、排出孔)、または、脱離タンパク質を含んだ溶離液の選択的通過を許容しながらも、クロマトグラフィー媒体の通過を阻害または妨げるバルブを含む排出口などがある。 排出口を含む媒体量制限器などの送達手段の導入口としては、固定式排出孔や、バルブによって調整可能な可動式排出孔などがある。本願発明のある特定の実施態様によれば、媒体量制限器を効率よく通過できない架橋したクロマトグラフィー媒体と共に、比較的大きな粒子の通過を許容する媒体量制限器が用いられている。 送達手段のチャンバー内に置かれるクロマトグラフィー媒体として、陽イオン交換体、または、陰イオン交換体、アフィニティー交換体、または、疎水性の相互作用性交換体などのイオン交換体などがある。多種多様なタンパク質を、例えば、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力などによって、クロマトグラフィー媒体に対して非共有結合することができる。 それらタンパク質の例として、治療用タンパク質などのタンパク質、あるいは、抗体、ペプチドホルモン、ペプチドリガンド、シグナリング分子(例えば、サイトカイン、ケモカイン)などの形態のタンパク質に由来するペプチドなどがある。] [0044] 溶出液 本願発明の送達システムは、送達手段に加えて、溶出液も含む。 溶出液とは、少なくとも一つの動物に対して生理学的に適合するものであるが、投与の際に溶出液を希釈することで、ある程度の生理学的適合性が得られるものと理解されている。 溶出液は、クロマトグラフィー媒体から非共有結合したタンパク質を実質的に解離することもできる。 クロマトグラフィー媒体の性質や、非共有結合したタンパク質のある程度の性質に応じて、好適とされる溶出液も変化してくる。 例えば、イオン交換クロマトグラフィー媒体を用いる実施態様にあっては、溶出液として、特定のpH、および/または、イオン強度を示す緩衝剤を用いることができる。] [0045] その他の送達システム 本願発明の様々な実施態様に関する以下の記載に関して、特段の断りがされていない限りは、あるいは、特に除外する旨の言及がされていない限りは、一般的には、ある実施態様で示されている特徴部分は、本願発明のその他の実施態様での特徴部分においても好適である。 加えて、同様の特徴部分は、図面においても同様の符号によって特定がされている。] [0046] 本願発明の送達手段の実施態様が、図1に示されており、そこには、治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体132を含む注射器100の形態の送達手段が描かれている。 クロマトグラフィー媒体132における規則的または不規則的な表面または端部は、注射器100の第一チャンバー102の境界を規定している。 クロマトグラフィー媒体132は、イオン交換体、アフィニティー交換体、または、疎水性の相互作用性交換体である。 注射器100の第二チャンバー104は、クロマトグラフィー媒体132の表面または端部、注射器100の内壁面112、および、導入口108によって規定される。 注射器の器壁、つまり、注射器100の外壁面106は、通常は、円筒状であり、そして、注射器100は、ガラス、プラスチック、または、注射器を形成する上で有用なものであると当該技術分野で周知の物質を用いて形成することができる。 注射器100の一方の端部には、注射器100に物質(例えば、液体やクロマトグラフィー媒体132)を送り込むための導入口108が設けられており、そして、注射器100の他方の端部には、注射器100から物質を排出するための排出口110が設けられている。 注射器100または本願発明のその他の注射器に好適なプランジャー600を、図6に示している。 プランジャー600は、プランジャープラテン606が結合しているプランジャーシャフト604に結合したプランジャーヘッド602から構成されている。 プランジャーヘッド602は、注射器100の内壁面112に対して摺動可能に嵌合する。] 図1 図6 [0047] 本願発明の注射器のその他の実施態様が、図2に示されており、そこには、クロマトグラフィー媒体154によって規定される第一チャンバー142と、クロマトグラフィー媒体154の表面または端部、内壁面152、および、導入口148によって規定される第二チャンバー144とを有する注射器140が描かれている。 注射器140は、導入口148、排出口150、および、外壁面146も有している。 第一チャンバー142と排出口150との間には、クロマトグラフィー媒体154を実質的に保持するための排出口フィルター156が設置されている。 本願発明のある特定の実施態様によれば、排出口フィルター156は、注射器140内部のすべてのクロマトグラフィー媒体154を保持している。 本願発明のある特定の実施態様によれば、排出口フィルター156は、細菌細胞などの生体細胞の通過を妨げ、それにより、排出口150に送られる液体に対して滅菌作用を及ぼす。 ある特定の実施態様によれば、ウィルス粒子の通過を妨げる排出口フィルター156が提供され、それにより、排出口150にはウィルスを含まない液体が送られることとなる。 排出口フィルター156は、注射器140の内壁面152のあわせ面158に当接する外縁160を有する。 外縁160は、あわせ面158と圧入して形成することもでき、または、外縁160および内壁面152のあわせ面158を構成する組成物に応じて、外縁160、および/または、あわせ面158に対して生体適合性接着剤を塗布したり、あるいは、熱媒介融合などの当該技術分野で周知の方法を用いて、端部と表面を互いに接着することもできる。] 図2 [0048] 本願発明の注射器のさらにその他の実施態様が、図3に示されており、そこには、導入口188、排出口190、外壁面186、注射器180の内壁面192によって規定される第一チャンバー182、排出口フィルター196、および、バリア202を有する注射器180が描かれている。 第一チャンバー182は、クロマトグラフィー媒体194を含んでいるが、チャンバー182は、注射器180の内部に置かれたクロマトグラフィー媒体194の体積によって規定はされていない。 つまり、チャンバー182は、クロマトグラフィー媒体194が占める体積の他にも、クロマトグラフィー媒体194が関係していない空隙容量または空隙体積を有することができる。 第二チャンバー184は、バリア202、内壁面192、および、導入口188によって規定されている。] 図3 [0049] 第一チャンバー182と第二チャンバー184を分離するバリア202は、第一チャンバー182および第二チャンバー184からの流体伝達、あるいは、第一チャンバー182と第二チャンバー184との間の流体伝達などの流体連結に対して影響を及ぼすことができる。 バリア202は、薄層または片状のプラスチック、ゴム、セラミック、ガラスなどの破断可能/破断不可能な崩壊しやすい部材、あるいは、圧力に応じて液体透過性が変化する膜などの感圧部材を含むことができる。 バリア202は、液体に対してバリア効果を及ぼすために、注射器180の内壁面192のバリア接着領域206に当接する周縁面204を有している。 周縁面204は、バリア接着領域206と圧入して形成することもでき、または、周縁面204および内壁面192のバリア接着領域206を構成する組成物に応じて、周縁面204、および/または、バリア接着領域206に対して生体適合性接着剤を塗布したり、あるいは、熱媒介融合などの当該技術分野で周知の方法を用いて、周縁面とバリア接着領域を互いに接着することもできる。] [0050] 本願発明の注射器のその他の実施態様が、図4に示されており、そこには、第一チャンバー222、および、第二チャンバー224、外壁面226、内壁面232、導入口228、排出口230、バリア242、および、排出口フィルター236を有する注射器220が描かれている。 第一チャンバー222は、排出口フィルター236、内壁面232、および、バリア242によって規定されており、その一方で、第二チャンバー224は、バリア242、内壁面232、および、導入口228によって規定されている。図4に例示したように、バリア242は、バリア242の一部の領域と基材248によって規定された少なくとも一つのプレチャンネル250を有しており、このプレチャンネルは、例えば、厚みを小さくして、基材248よりもバリア特性を落としたり、あるいは、基材248とは異なる物質で形成するなどして、液体の優先的流路となるように構成されたものであって、シリンジプランジャー(例えば、図6a〜6dを参照されたい)などを押し込んだ際に伴う力を集中させるなどの作動をさせた時にバリアが裂ける幾何学的構造とすることで、プレチャンネル250を通る液体の流れと、基材248を通る液体の流れとの間に差異を設けることは容易にできる。] 図4 [0051] 本願発明の注射器のさらに別の実施態様が、図5に示されており、そこには、外壁面266、内壁面272、第一チャンバー262、第二チャンバー264、導入口268、排出口270、排出口フィルター276、および、バリア282を有する注射器260が描かれている。 注射器260にあっては、外周部材294の存在が故に、第一チャンバー262は、少なくともその一部に、第二チャンバー264よりも小さな寸法の断面を有している。 注射器260に接している端部299に対向した外周部材294の端部または肩部296(例えば、排出口270または排出口フィルター276のいずれか)は、バリア282の接触箇所292に近接して設けられる。 例えば、バリア282が、注射器260へと圧入される場合には、接触箇所292は、肩部296の上に置くことができる。 当該技術分野で周知の生体適合性接着剤、熱媒介融合、または、接触箇所292と肩部296を構成する物質を接着させる上で好適な当該技術分野で周知のその他の方法を用いて、接触箇所292を肩部296に対して接着させることができる。 注射器260のほぼ円筒形状に沿って適切な相対位置に挿入体が到達するまで、あるいは、排出口フィルター276または排出口270のいずれかに挿入体が到達するまで、注射器260に沿って円周方向挿入体を誘導することによって、外周部材294が形成される。 この挿入体は、注射器260、および/または、排出口フィルター276に対して、圧入または接着することができる。 本願発明のある特定の実施態様によれば、外周部材294は、注射器260と一体で形成される。 本願発明のある特定の実施態様によれば、外周部材294と注射器260は、ほぼ円筒状であって、また、実質的に同軸方向とすることもできる。] 図5 [0052] 上述したように、図3〜図5に示した実施態様は、第一チャンバーと第二チャンバーとの間での物質(例えば、液体)の往来を妨げるバリアを含んでいる。本願発明のある特定の実施態様によれば、図6に示した形態のプランジャーは、バリア機能の一部または全部を喪失させるに十分な高さの圧力差をバリアに加えて、バリアを介した物質の往来を可能にする。 しかしながら、その他の実施態様によっては、この方法が、十分なものではなく、あるいは、好ましくない場合もある。 そのような場合には、バリア内の一つまたはそれ以上の箇所に、貫通孔を設けたり、傷を入れたり、あるいは、強度を落としたりすることができるプランジャーヘッド(例えば、図7a〜7dを参照されたい)を設けることとなる。 それ単独で、あるいは、プランジャーの作動を招く高い圧力差との組み合わせのいずれかによって、プランジャーヘッドの突起物は、バリア機能の喪失に寄与することとなる。] 図3 図4 図5 図6 [0053] 本願発明のその他の送達手段は、治療用タンパク質などのタンパク質が非共有結合しているクロマトグラフィー媒体を取り込んだ点滴モジュールである。図8には、外壁面306、治療用タンパク質が非共有結合しているクロマトグラフィー媒体の規則的または不規則的な表面、内壁面312、および、排出口310によって規定された第一チャンバー302、それに、クロマトグラフィー媒体314の規則的または不規則的な表面、内壁面312、および、導入口308によって規定された第二チャンバー304を有する点滴モジュール300の実施態様が記載されている。 第二チャンバー304の体積は、実質的に、点滴モジュール300の空隙容量(すなわち、点滴モジュール300の総容量からクロマトグラフィー媒体314の体積を差し引いた容量)である。 本願発明のある特定の実施態様によれば、クロマトグラフィー媒体314は、排出口310を通る量に関して制限を受ける構造となっている。 本願発明の点滴モジュールは、当該技術分野で周知の静脈内送達システムなどを介して、点滴によって治療用タンパク質を投与する用途に適している。 そのようにする場合、点滴モジュールは、クロマトグラフィー媒体314の流量を制限するためのフィルターを用いて、直接的または間接的に流体連結することができる。] 図8 [0054] 本願発明の点滴モジュールの別の実施態様が、図9に示されており、そこには、外壁面346、クロマトグラフィー媒体354の表面または端部、内壁面352、および、排出口フィルター356で規定された第一チャンバー342、クロマトグラフィー媒体354の表面または端部、内壁面352、および、導入口348で規定された第二チャンバー344、前出の導入口348、排出口350、および、排出口フィルター356を有する点滴モジュール340が描かれている。 本願発明のある特定の実施態様によれば、排出口フィルター356は、図2に描いた注射器の実施態様での排出口フィルター156(前出部分を参照されたい)の一つまたはそれ以上の性質を具備している。 すなわち、排出口フィルター356は、注射器340内部のすべてのクロマトグラフィー媒体を保持することができる。 さらに、排出口フィルター356は、細菌細胞などの生体細胞の通過を妨げ、それにより、排出口350に送られる液体に対して滅菌作用を及ぼす。 ある特定の実施態様によれば、ウィルス粒子の通過を妨げる排出口フィルター356が提供され、それにより、排出口350にはウィルスを含まない液体が送られることとなる。 内壁面352は、排出口フィルター356の外縁360に当接するあわせ面358を有する。 外縁360は、あわせ面358と圧入して形成することもでき、または、外縁360およびあわせ面358を構成する組成物に応じて、外縁360、および/または、あわせ面358に対して生体適合性接着剤を塗布したり、あるいは、熱媒介融合などの当該技術分野で周知の方法を用いて、端部と表面を互いに接着することもできる。] 図2 図9 [0055] 本願発明の点滴モジュールのさらに別の実施態様が、図10に示されており、そこには、外壁面386、治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体394を含む第一チャンバー382、第二チャンバー384、導入口388、排出口390、排出口フィルター396、および、第一チャンバー382と第二チャンバー384との間に設置したバリア402を有する点滴モジュール380が描かれている。 バリア402としては、薄層または片状のプラスチック、ゴム、セラミック、ガラスなどの崩壊しやすい部材や、圧力に応じて液体透過性が変化する膜などの感圧部材などがある。 崩壊しやすい部材をバリア402とする実施態様では、膜を破るための用具として当該技術分野で周知の機械的用具または電気機械的用具を用いることができる。] [0056] 図10bに例示したように、ある実施態様では、バリア402に到達するに十分な長さの軸部分642を有する棒状部材640の挿入が関係している。 軸部分642には、バリア402に接触可能な棒状部材640の軸上のある位置に柄部分644が設けられているが、導入口388に柄部分644が接触するので、タンパク質に対して非共有結合したクロマトグラフィー媒体394が、棒状部材642に触れることは妨げられている。 導入口388が開口している実施態様では、軸部分642の直径は、導入口の直径よりも小さく、また、導入口388をバルブにしている実施態様では、軸部分642の直径は、開放状態のバルブに適合する大きさにしなければならない。 棒状部材に突起物646を設けることでバリアの破壊は容易になり、その突起物は、薄いものでも、厚いものでもよく、また、一つまたはそれ以上でもよく、そして、棒状部材640を挿入することでバリア402の破壊または崩壊を招く限りは、いかなる形状のものでもよい。 バリア402を破壊または崩壊する上で好適なその他の構造物として、電動式、機械式、電動機械式、磁気式、または、電動磁気式バルブなどのバルブ、第二チャンバー384の内壁面392から旋回する磁気反応式打撃アーム、そして、外壁面386に打撃を加えることで、打撃アームを放出して、バリア402などと接触し、次いで、それらを破壊または崩壊するように、内壁面392にかろうじて取り付けた同様の構造の打撃アームなどがある。] [0057] 加えて、液体バリアを形成可能な方法で、点滴モジュール380の内壁面392にバリア402は取り付けられている。取付例として、点滴モジュール380の内壁面392のバリア接着領域406に対して、バリア402の周縁面404を接着する方法がある。 このような接着は、当該技術分野で周知の方法を用いて行うことができ、例えば、バリア接着領域406、および/または、周縁面404に対して生体適合性接着剤を塗布したり、バリア接着領域406に対して周縁面404を熱媒介融合したり、あるいは、点滴モジュール380に対してバリア402を圧入して、バリア接着領域406に周縁面404を充てがうなどして行うことができる。] [0058] 本願発明の点滴モジュールのその他の実施態様が、図11に示されており、そこには、外壁面426、治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体434を含む第一チャンバー422、第二チャンバー424、導入口428、排出口430、排出口フィルター436、および、バリア442を有する点滴モジュール420が描かれている。 第一チャンバー422は、排出口フィルター436、内壁面432、および、バリア442によって規定されており、その一方で、第二チャンバー424は、バリア442、内壁面432、および、導入口428によって規定されている。 図11に例示したように、バリア442は、基材448の他に、バリア442の一部の領域によって規定された少なくとも一つのプレチャンネル450を有しており、このプレチャンネルは、例えば、厚みを小さくして、基材448よりもバリア特性を落としたり、あるいは、基材448とは異なる物質で形成するなどして、液体の優先的流路となるように構成されたものであって、液圧を上昇させたり、棒状部材などを挿入したり、押し込んだりした際に伴う力を集中させるなどの作動をさせた時にバリアが裂ける幾何学的構造とすることで、基材448を通る液体の流れよりも、プレチャンネル450を通る液体の流れを優先させることで、差異を設けることは容易にできる。] [0059] 本願発明の点滴モジュールのさらに別の実施態様が、図12に示されており、そこには、外壁面466、治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体474を含む第一チャンバー462、第二チャンバー464、導入口468、排出口470、および、補助取込口498を有する点滴モジュール460が描かれている。 図12では、溶出液などの液体が、補助取込口498を介して、導入口468から送られてきた液体に加えられ、点滴モジュール460を通って、そして、排出口470に至ることとなる。] [0060] 図13には、本願発明の他の実施態様の一事例、すなわち、密閉された周縁部502を有し、かつ、治療用タンパク質などのタンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を収めるパケット内部504を規定する崩壊性パケット500が描かれている。 図13に例示したように、そこには、密閉された周縁部502の他の箇所よりも破壊がしやすい領域506があり、それにより、圧力をその領域506に直接に負荷することで、パケット500の崩壊や破壊がしやすくなる。 理解を容易ならしめるために、パケット500を平面図で直線で描いているが、パケット500は、本明細書に記載した概ね円筒状の注射器に使用する治療用タンパク質などのタンパク質の投与形態に適合したいかなる形状にもすることができる。 よって、領域506は、特定の形態のパケット500の端部または一つまたはそれ以上の面など、パケット500の表面のどこにでも設けることができ、そして、パケットは、少なくとも一つの密閉された周縁部502を具備することもでき、あるいは、それらを具備しなくてもよい。] [0061] 図14には、本願発明のパケットのその他の実施態様が描かれている。 パケット540は、外部密閉周縁部548と内部シール550とを具備している。シール550は、第一チャンバー544と第二チャンバー546との間に設けられており、それにより、両者を規定している。 密閉した周縁部548での容易に破壊がしやすい領域552は、本願発明のこの実施態様でも用いることができる。 高められた液圧に対するチャンバー間シール550と外部シール552の抵抗性は、通常は、変化するものであるが、そうする必要はない。 本願発明のある特定の実施態様によれば、チャンバー間シール550は、外部シール552よりも、高められた液圧に対する抵抗性は小さい。 使用時に、例えば、本願発明に従って、注射器のパケット540を交換して、シリンジプランジャーを挿入および駆動すると、溶出液の液圧は増大し、そして、シールの崩壊に至ることとなる。] [0062] 外部シール552に先駆けてチャンバー間シール550が崩壊するように設計された実施態様によれば、パケットの外部に内容物を放出する以前に、二つのチャンバーの内容物を予め混合しておく機会が得られる。 一方のチャンバーに、治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を入れておき、そして、他方のチャンバーには、溶出液を入れておく。シリンジプランジャーを駆動させると、プランジャーヘッド602(図7を参照されたい)が、パケット540に接触し、これにより、一方のチャンバーに収容されている溶出液の圧力が高められることとなる。 そうすると、液体の流れを妨げるというチャンバー間シール550の機能は喪失し、溶出液が、クロマトグラフィー媒体と接触することとなるので、結合していたタンパク質が溶出することとなる。 最終的には、パケットが崩壊するので、溶出したタンパク質は、注射器などの送達手段を介した送達に供するために放出されることとなる。] [0063] 当業者であれば、図13および図14に記載のパケットに関する実施態様のように、タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を包み込むことで、治療用タンパク質に結合したクロマトグラフィー媒体のバルク生産と滅菌処理が可能となり、経費の節減が図れる、ということは認識するであろう。 同様に、図14に記載のチャンバーに収容される溶出液を包み込むことで、それら物質のバルク生産と滅菌処理が可能となるであろう。] [0064] 図7に記載のプランジャーヘッド602の実施態様は、本願発明のパケットとの併用をも示唆している。 図7に記載のプランジャーヘッドの実施態様は、適切な長さの少なくとも一つのピン(図7aを参照されたい)、あるいは、少なくとも一つの尖った先端、あるいは、バリアを貫通したり、切断したり、傷を入れたりし、または、本願発明にしたがってバリアの構造を崩壊し、すなわち、バリア機能が低下または喪失したバリアにする方法に適したいかなる形状(図7bを参照されたい)のプランジャーヘッドをも包含している。 本願発明のある特定の実施態様によれば、プランジャーヘッド602は、バリアを崩壊させるに十分なまでに液圧が上昇する以前にバリアに接触することができる長さを有する少なくとも一つのピンや尖った先端などの形態の突起物を有しており、それにより、液圧に代わる手段、すなわち、本願発明の崩壊性バリアを崩壊させるための代替手段が提供されることとなる。 数々の突起物に加えて、本願発明のプランジャーヘッドは、薄いものでも、厚いものでもよく、また、長いものでも、短いものでもよく、そして、バリアに傷を入れたり、切断したり、貫通したりし、または、本願発明のバリアのバリア機能を喪失するのに適したいかなる全体形状のものでも利用可能である。 突起物のデザインや長さに関係なく、図7c〜図7dに示したように、二つ以上の突起物を、プランジャーヘッド602に設けることもできる。] [0065] 本願発明は、治療用タンパク質などのタンパク質を、安定した形態で貯蔵するためのシステムも提供する。 このシステムは、タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体を含む少なくとも一つのチャンバーを具備している上述した送達手段のような、送達手段を含む。 このシステムは、非共有結合したタンパク質の少なくとも一部をクロマトグラフィー媒体から放出するように調整された溶出液をさらに含む。 結合したタンパク質が治療用タンパク質である実施態様において、この溶出液は、治療有効量の少なくとも一つのタンパク質を放出するように調整されている。 このシステムは、治療用タンパク質を用いて治療または予防できる可能性のある疾患、障害、または、病態の治療または予防のための治療用キットなどのキットに用いることができる。 送達手段と溶出液は、市販されており、および/または、それらは、一括して、あるいは、個別に販売がされている。] [0066] 方 法 本願発明の治療用タンパク質の投与方法は、クロマトグラフィー媒体からの治療用タンパク質の溶出、それに、イオン交換体の送達を必要としない治療剤の選択的送達が可能な当該技術分野で周知の送達形態を包含している。 好ましい送達形態として、ベッターリョジェクト登録商標注射器などの二つのチャンバーを具備したタイプの注射器がある。 ある実施態様によれば、注射器は、フィルターを含み、例えば、注射器からのイオン交換体の流出を効果的に妨げる一方で、治療用タンパク質を含んだ液体の流出を許容する特定の孔径またはある一定の範囲の孔径を有する膜などのインラインフィルターなどを含む。] [0067] 注射器または静脈内投与のために用いるインラインフィルターなどのフィルターを用いる利点は、粒子状の汚染物質を濾過できることにある。 好適なフィルターとして、0.2μmゲルマンエアロ滅菌フィルター、ミリパックフィルター、好ましくは、ミリパック100(ミリポア社、ザブールバード、ブラックモアレーン、ワーフォード、ハーツ)などがあるが、これらに限定されない。 ある実施態様によれば、イオン交換体は、フィルターの内部またはフィルター上に取り付けられる。 また、フィルターの有無に関係なしに注射器に用いることのできるイオン交換体として、イオン交換体の構成要素(例えば、ビーズ)の平均径を、針穴の直径よりも大きくしたイオン交換体も意図してある。 関連する実施態様によれば、注射器に材料を充填する前後のいずれかに、イオン交換体を化学的に架橋して、注射器から出ることができないくらいの大きさの流動性多孔質体にする。] [0068] 固定したタンパク質を投与する方法も提供される。 この投与は、薬剤充填済送達手段内の固定したタンパク質と、溶出緩衝液などの溶出液を接触させて行われる。 通常は、特定の投与量または特定の量のタンパク質を確実に脱離するために、特定のpH、および/または、イオン強度を有する一定量の溶出液が用いられる。 溶出液(および、薬剤充填済送達手段の空隙容量を満たす液体)の選択の範囲は、使用した投与経路に応じて、受容者の血液量、または、その他の体液の量、または、組織の質量に対して、溶出物の体積を少なく維持することで適切に定まる。] [0069] 治療用タンパク質の送達に関する実施態様によれば、本願発明の方法は、効果的な治療用量を得るために十分な治療用タンパク質の脱離を図りつつも、薬剤充填済注射器などの送達手段に空隙容量の溶出液が保持されるようにデザインがされている。 換言すれば、本願発明の投与方法は、イオン交換体を含んだ送達手段の空隙容量よりもむしろ、送達または投与される溶出液の一部に対して効果的な治療用量を溶出するために、特定のpH、および/または、イオン強度を有する十分な量の溶出液を利用する。 治療用タンパク質の連続的または半連続的送達、例えば、静脈内送達系に対するインライン薬剤充填済送達手段の使用に関する実施態様によれば、空隙容量での治療用タンパク質の損失は考慮しなくてもよい。 むしろ、その場合は、溶出液の性質、例えば、pH、および/または、イオン強度を、時間をかけて、有効量の治療用タンパク質が着実に脱離するように、一定のレベルに保つようにする。] [0070] 化合物を、それ単独で投与することも可能であるが、本願発明の方法によれば、一般的に、投与される化合物は、薬学的に許容可能な従来の担体を含んだ薬学的に許容可能な組成物など、所望の投与量の単位製剤における活性成分として含まれている。 よって、本願発明のその他の実施態様によれば、治療用化合物と薬学的に許容可能な担体との組み合わせを含む医薬組成物が提供される。 一般的に、薬学的に許容可能な担体として、本明細書に記載した希釈剤、賦形剤、補助剤などがある。] [0071] 本願発明の医薬組成物は、有効量の治療用タンパク質、または、有効投与量の治療用タンパク質を含むことができる。化合物の有効投与量として、有効量の化合物よりも少ない量、同等の量、あるいは、それを超える量などがある。 例えば、錠剤やカプセル剤のように、有効量の化合物を投与するために、二つまたはそれ以上の単位投与量が必要とされる医薬組成物や、粉末や液剤のような多用量の医薬組成物は、組成物の一部だけを投与することができる。 300mg/mlまでの範囲で濃縮された投与量の治療用タンパク質を送達するために、これら組成物を提供することもできる。 投与した治療剤の濃度、および/または、粘度は、溶出液の体積を調整することによって調節される。] [0072] 大抵の場合、本願発明の固定したタンパク質は、錠剤、カプセル剤、粉末、または、送達手段(例えば、注射器または点滴モジュール)で利用する上で便利であるものと当該技術分野で周知のその他の薬学的製剤の形態で製剤することができる。 さらに、固定したタンパク質製剤は、例えば、本明細書に記載され、かつ、図12および図13に例示されたパケット内の滅菌製剤または非滅菌製剤として取り込まれることができる。] [0073] 多様な疾患を治療、緩和、または、予防するための所望の投与可能な製剤を形成するために、一般的に、これら医薬組成物は、一つまたはそれ以上の化合物を、一つまたはそれ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、結合剤、補助剤、希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤などと混合して調製することができる。 これら組成物は、様々な緩衝剤成分(例えば、トリス塩酸、酢酸塩、リン酸塩)、pH、および、イオン強度についての希釈剤、界面活性剤や溶解補助剤(例えば、ツイン80、ポリソルベート80)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール)、および、増量性物質(例えば、ラクトース、マンニトール)などの添加剤、それに、これら物質を、ポリ乳酸やポリグリコール酸などの高分子化合物の粒子状調製物またはリポソームへの取り込みなどを利用する。ヒアルロン酸も使用することができ、この物質は、循環系での徐放性を促す効果を奏する。 これら組成物は、本願発明のタンパク質またはその誘導体の物理的状態、安定性、in vivoでの放出速度、および、in vivoでの消失速度に影響を与えることができる。 例えば、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用するRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. (1990, Mack Publishing Co., Easton, PA 18042) pp.1435-1712を参照されたい。] [0074] これら医薬組成物に対して滅菌などの従来の薬学的処置を施すことができ、および/または、これら医薬組成物は、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの従来の補助剤を含むことができる。本願発明の薬学的に活性な化合物は、ヒトやその他の哺乳動物などの個体に投与するための医薬品を製造するために、従来の製薬方法に従って、加工を施すことができる。] [0075] 医薬組成物は、全身投与よりはむしろ、徐放性製剤として注射するなど、局所的に投与することができる。] [0076] 本明細書に記載した代表的な投与形態以外にも、薬学的に許容可能な賦形剤や担体は、一般的に、当業者に周知の事項であり、また、それらの使用も意図している。 そのような賦形剤や担体は、例えば、"Remingtons Pharmaceutical Sciences" Mack Pub. Co., New Jersey (2000)、および、"Pharmaceutics The Science of Dosage Form Design, 2nd Ed. (Aulton, ed.) Churchill Livingstone (2002)に記載されている。 以下の投与形態は、例示目的で記載したものに他ならず、本願発明を限定する意図は全くない。] [0077] 本願発明の治療用タンパク質は、通常は、注射によって投与されるものであり、例えば、非経口注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、および、腹腔内注射などによって投与されるが、これらに限定されない。] [0078] 一般的に、注射可能な非経口投与用製剤にあっては、好適な分散剤または湿潤剤、および、懸濁剤を用いて調製することができる、水性懸濁液または油性懸濁液を含む。 注射可能な製剤は、水相の形態、または、改めて溶液に調製する上で好適な粉末の形態とすることができる。 これらのいずれもが、溶媒または希釈剤を用いて調製される。許容可能な溶媒または賦形剤として、滅菌水、リンゲル溶液、または、等張水性生理食塩水などがある。 あるいは、溶媒または懸濁剤として、滅菌油脂を用いることもできる。 通常、油脂または脂肪酸は、非揮発性であり、そのようなものとして、天然油脂または合成油脂、脂肪酸、モノ-、ジ-、または、トリ-グリセリドなどがある。 注射を行うにあたって、これら製剤に、安定剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ調整剤、および、これらの組み合わせを任意に加えることができる。 これら化合物は、急速静注や連続点滴などの注射によって非経口投与するために製剤に供することができる。 注射のための単位投与量は、アンプルの形態の送達手段、あるいは、多用量点滴モジュールのような多用量送達手段を利用することができる。] [0079] 疾患の病態、年齢、体重、通常の健康状態、性別、食習慣、投与間隔、投与経路、放出速度、および、薬剤の組み合わせなどに応じて、個々の投与量を調整することができる。] [0080] 有効量の成分を含んだ上記投与形態は、通常の実験の範囲内のものでしかなく、したがって、本願発明の範疇に属するものに他ならない。] [0081] 投与経路や投与形態に応じて、治療有効量を調整することができる。 通常は、本明細書に記載の化合物の内でも、高い治療係数を示す製剤をもたらす一つまたはそれ以上の化合物が選択される。 この治療係数とは、LD50とED50との間の用量比、つまり、毒性と治療効果との間の用量比である。 LD50とは、個体集団の50%が致死する用量であり、そして、ED50とは、個体集団の50%において治療効果をもたらす用量である。 LD50とED50は、動物細胞の培養物、または、実験動物に対して、標準的な薬学的手順を行うことで決定される。] [0082] 疾患または障害を治療するための投与計画は、疾患のタイプ、年齢、体重、性別、患者の健康状態、病態の重篤度、投与経路、および、使用する具体的な化合物などの様々な要素に基づいて決定される。 よって、投与計画は、多様に変化する可能性はあるが、このものは、標準的な方法を用いて簡単に決定することができる。投与量レベルは、通常は、約0.01mg〜30mg/体重kg/日であるが、例えば、約0.1mg〜10mg/kg、または、約0.25mg〜1mg/kgが、本明細書に記載のすべての使用方法において有用である。 一般的には、一日当たりの投与量は、0.1〜1000化合物μg/体重kg、好ましくは、0.1〜150μg/kgの範囲の量とすべきである。] [0083] 活性成分は、注射または点滴によって、組成物として投与することができ、また、任意に、生理食塩水、デキストロース、または、水などの好適な担体と共に投与することができる。毎日の非経口投与量は、約0.1〜約30mg/全体重kg、例えば、約0.1〜約10mg/kg、または、約0.25〜約1mg/kgの範囲で投与計画が立てられる。] [0084] 本願発明は、安定な薬剤充填済送達手段の製造方法をさらに提供する。 一般的に、この方法は、送達手段に媒体を添加する前後のいずれかにおいて、イオン交換体への治療用タンパク質の非共有結合を許容するpHおよびイオン強度の条件下で、添加液に含まれるタンパク質を、クロマトグラフィー媒体などのイオン交換体に対して適用する。 送達手段、クロマトグラフィー媒体(例えば、イオン交換体)、その結合性、添加液のpH、添加液のイオン強度、および、添加液のタンパク質濃度の選択が、具体的な環境条件によって変化するものであり、また、製造方法が、かような環境条件に適合するように修正されるであろうことは、当業者に周知の事項である。未結合タンパク質や汚染物質を除去するために、好ましくは、この製造方法は、洗浄工程をさらに含む。 製造を終えた後に、安定な形態のタンパク質、すなわち、薬剤充填済送達手段の形態のタンパク質は、何日も、何週間も、何ヶ月も、あるいは、それ以上の期間にわたって、通常は、室温下、または、冷蔵下で貯蔵される。 しかしながら、その製剤の安定性は、常温下での相当期間にわたる貯蔵を許容する。] [0085] キット 本願発明は、安定貯蔵と治療投与のための薬剤充填済送達手段とそれらの使用に関する指示事項を含むキットも提供する。 薬剤充填済送達手段とは、その性質が、脱離タンパク質と媒体の分離、あるいは、送達手段での媒体の保持のいずれに起因するものであっても、クロマトグラフィー媒体が付随して送達されることなく、脱離タンパク質を選択的に送達することができる治療用タンパク質などのタンパク質を送達するための手段である。] [0086] 送達手段の例として、薬剤充填済注射器や、静脈内投与用チューブを用いたインライン点滴モジュールなどの静脈内投与システムを用いて流体連結してなる点滴モジュールなどがある。 使用に関する指示事項は、添付書面とすることもでき、そして、少なくとも一つの投与量のタンパク質、例えば、治療用タンパク質を送達または投与する場合の送達手段の使用方法を表示してある。] [0087] 構成要素 本願発明の送達手段、システム、方法、および、キットでの使用に適したタンパク質として、当該技術分野で周知のタンパク質、または、それらの断片、誘導体、または、変異体がある。 そのようなタンパク質として、多様な単量体タンパク質、ホモ多量体タンパク質、および、ヘテロ多量体ホロタンパク質、それに、一本鎖サブユニット、断片、誘導体、および、ペプチドなどがある。ペプチドホルモン、ペプチドリガンド、シグナリング分子(例えば、サイトカイン、ケモカイン)、および、抗体など、これらタンパク質の内の幾つかは、公知の治療的用途を有している。治療効果を示すタンパク質として、例えば、治療効果を示す抗体(例えば、哺乳動物または哺乳動物細胞などの動物または抗体生産細胞に由来するモノクローナル抗体、または、ポリクローナル抗体、無傷抗体、または、その断片(FabまたはF(ab')2)、すべてのアイソタイプまたは混合アイソタイプのキメラ抗体、ヒト型化抗体、および、ヒト抗体、scFv、二重特異性抗体、組換え抗体などの一本鎖分子、および、ラクダ科動物抗体など)がある。] [0088] 本願発明の使用において好適なタンパク質として、エタネルセプト(エンブレル登録商標、抗TNFα抗体)、エリスロポエチン、ダルベポエチンアルファ(アラネスプ登録商標、EPO類似体)、フィルグラスチム(ニューポジェン登録商標、または、組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子(r-metHuG-CSF))、および、ペグフィルグラスチム(ニューラスタ登録商標、ペグ化フィルグラスチム)からなるグループから選択される治療用タンパク質などのタンパク質があるが、これらに限定されない。 これら治療用タンパク質の実施態様として、ヒュミラ(アダリムマブ)、シナジス(パリビズマブ)、146B7-CHO、ベクチビックス(パニツムマブ)、リツキサン(リツキシマブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23モノクローナル抗体(ルミリキシマブ)、M200(ボロシキシマブ)、抗クリプトモノクローナル抗体、抗BR3モノクローナル抗体、抗IGFIRモノクローナル抗体、タイサブリ(ナタリズマブ)、ダクリズマブ、ヒト型化抗CD20モノクローナル抗体(オクレリズマブ)、可溶性BAFFアンタゴニスト(BR3-Fc)、抗CD40Lモノクローナル抗体、抗TWEAKモノクローナル抗体、抗IL5受容体モノクローナル抗体、抗ガングリオシドGM2モノクローナル抗体、抗FGF8モノクローナル抗体、抗VEGFR/Flt-1モノクローナル抗体、抗ガングリオシドGD2モノクローナル抗体、アクチライズ登録商標(アルテプラーゼ)、メタライズ登録商標(テネクテプラーゼ)、CAT-3888およびCAT-8015(抗CD22dsFv-PE38複合体)、CAT-354(抗IL13モノクローナル抗体)、CAT-5001(抗メソテリンdsFv-PE38複合体)、GC-1008(抗TGF-βモノクローナル抗体)、CAM-3001(抗GM-CSF受容体モノクローナル抗体)、ABT-874(抗IL12モノクローナル抗体)、リンフォスタットB(ベリムマブ;抗BlySモノクローナル抗体)、HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1モノクローナル抗体)、HGS-ETR2(ヒト抗TRAIL受容体-2モノクローナル抗体)、アブスラックス商品名(ヒト、抗防御抗原(炭疽菌由来)モノクローナル抗体)、MYO-029(ヒト抗GDF-8モノクローナル抗体)、CAT-213(抗エオタキシン1モノクローナル抗体)、アービタックス、エプラツズマブ、レミケード(インフリキシマブ;抗TNFモノクローナル抗体)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、レオプロ(アブシキシマブ)、アクテムラ(抗IL6受容体モノクローナル抗体)、アバスチン、HuMax-CD4 (ザノリムマブ)、HuMax-CD20(オファツムマブ)、HuMax-EGFr(ザルツズマブ)、HuMax-インフラム、R1507(抗IGF-lRモノクローナル抗体)、HuMax HepC、HuMax CD38、HuMax-TAC(抗IL2Raまたは抗CD25モノクローナル抗体)、HuMax-ZP3(抗ZP3モノクローナル抗体)、ベキサール(トシツモマブ)、オルソクローンOKT3(ムロモナブ-CD3)、MDX-010(イピリムマブ)、抗CTLA4、CNTO 148(ゴリムマブ;抗TNFα炎症モノクローナル抗体)、CNTO 1275(抗IL12/IL23モノクローナル抗体)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、HuMax-CD20(オファツムマブ)、HuMax-EGFR(ザルツズマブ)、MDX-066(CDA-I)およびMDX-1388(抗クロストリジウム・ディフィシル毒素Aおよび毒素B Cモノクローナル抗体)、MDX-060(抗CD30モノクローナル抗体)、MDX-018、CNTO 95(抗インテグリン受容体モノクローナル抗体)、MDX-1307(抗マンノース受容体/hCGβモノクローナル抗体)、MDX-1100(抗IP1O潰瘍性大腸炎モノクローナル抗体)、MDX-1303(バロルティム商品名)、抗炭疽菌アンスラックス、MEDI-545(MDX-1103、抗IFNa)、MDX-1106(ONO-4538;抗PDl)、NVS抗体 #1、NVS抗体 #2、FG-3019(抗CTGF特発性肺線維症フェーズI試験終了ファイブロジェン)、LLY抗体、BMS-66513、NI-0401(抗CD3モノクローナ ル抗体)、IMC-18F1(VEGFR-I)、IMC-3G3(抗PDGFRα)、MDX-1401(抗CD30)、MDX-1333(抗IFNAR)、シナジス(パリビズマブ;抗RSVモノクローナル抗体)、キャンパス(アレムツズマブ)、ベルケード(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7モノクローナル抗体)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体モノクローナル抗体)、シムレクト(バシリキシマブ)、プレクセジ(ルミラコキシブ)、ゾレア(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSAモノクローナル抗体)、IL-1 Trap(ヒトIgGlのFc部分および双方のIL-1受容体成分(I型受容体および受容体付属タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgGl Fcに融合したVEGFRlのIgドメイン)、ゼナパックス(ダクリズマブ)、アバスチン(ベバシズマブ)、モノクローナル抗体テラ(リツキシマブ)、モノクローナル抗体テラRA(リツキシマブ)、タルセバ(エルロチニブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、ゼチーア(エゼチミブ)、ジットリン(エゼチミブおよびムバスタチン)、アタシセプト(TACI-Ig)、NI-0401(クローン病での抗CD3)、アデカツムマブ、ゴリムマブ(抗TNFαモノクローナル抗体)、エプラツズマブ、ゲムツズマブ、ラプティヴァ (エファリズマブ)、シムジア(セルトリズマブペゴール、CDP870)、(ソリリス)エクリズマブ、パキセリズマブ(抗C5補体)、MEDI-524(ヌマックス)、ルーセンティス(ラニビズマブ)、17-1A(パノレックス)、トラビオ(レーデリムマブ)、セラシムhR3(ニモツズマブ)、オムニターグ(パーツズマブ)、オシデム(IDM-1)、オバレックス(B43.13)、ヌヴィオン(ビジリズマブ)、および、カンツズマブなどの治療抗体もある。 本願発明のその他の実施態様は、ペプチドホルモン、ペプチドリガンド、それに、サイトカインやケモカインなどのシグナリング分子、あるいは、ナトレコール(ネシリチド;rhB型ナトリウム利尿ペプチド)、エリスロポエチン(前出)、インスリン、インスリン溶液、インファゲン登録商標(インターフェロンアルファコン-1)、キネレット登録商標(アナキンラ)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ロフェロン登録商標-A(インターフェロンアルファ-2a)、ベクチビックス (パニツムマブ)など、治療効果を奏することが知られているタンパク質など、抗体でない治療用タンパク質を含む。ペプチボディーやアビマーなどの融合タンパク質、それに、それらの断片、誘導体、および、変異体なども意図している。 本願発明のある特定の実施態様によれば、この治療用タンパク質は、少なくとも7.0のpI値を有している。] [0089] 特定の抗体および抗体関連タンパク質として特に例示したタンパク質として、Fc融合タンパク質やペプチボディー、例えば、直後に記載されているものや、本明細書の他の箇所で言及されているFc融合タンパク質やペプチボディーなどの他に、Fc領域を含むその他の融合タンパク質、または、その断片あるいは誘導体などがある。] [0090] OPGL特異抗体、ペプチボディー、および、関連タンパク質など(RANKL特異抗体、ペプチボディーなどとも称する)として、完全なヒト型化抗体およびヒトOPGL特異抗体、特に、完全なヒト型化モノクローナル抗体などがあり、そのような抗体として、本明細書の一部を構成するものとしてその全内容を援用する、OPGL特異抗体および抗体関連タンパク質に関する国際(PCT)特許出願公開公報第WO 03/002713号に記載された抗体などがあるが、これらに限定されず、特に、そこに記載された配列を有する抗体、具体的には、そこに表示された抗体、すなわち、9H7、18B2、2D8、2E11、16El、および、22B3などがあるが、これらにも限定されず、また、本明細書の一部を構成するものとしてその全内容を個別的かつ具体的に援用する、その図2に記載の配列番号:2に記載の軽鎖、および/または、その図4に記載の配列番号:4に記載の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体などがある。] 図2 図4 [0091] ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディー、および、関連タンパク質などとして、ミオスタチン特異的ペプチボディー、特に、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を援用する米国特許公開公報第2004/0181033号および国際(PCT)特許出願公開公報第WO 2004/058988号に開示されたものがあり、特に、そこに記載されたミオスタチン特異的ペプチボディーの一部、具体的には、mTN8-19ファミリーのペプチボディー、すなわち、それらの配列番号:305〜351に記載のもの、すなわち、TN8-19-1〜TN8-19-40、TN8-19 con1およびTN8-19 con2などがあるが、これらに限定されず、また、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、それらの配列番号:357〜383に記載のmL2ファミリー、それらの配列番号:384〜409に記載のmL15ファミリー、それらの配列番号:410〜438に記載のmL17ファミリー、それらの配列番号:439〜446に記載のmL20ファミリー、それらの配列番号:447〜452に記載のmL21ファミリー、それらの配列番号:447〜452に記載のmL21ファミリー、それらの配列番号:453〜454に記載のmL24ファミリー、および、それらの配列番号:615〜631に記載のペプチボディーなどがある。] [0092] IL-4受容体特異抗体、ペプチボディー、および、関連タンパク質などとして、受容体に対するIL-4および/またはIL-13の結合を媒介する活性を阻害するもの、特に、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を援用する、国際(PCT)特許出願第PCT/US2004/03742号の国際(PCT)特許出願公開公報第WO 2005/047331号、および、米国特許公開公報第2005/112694号に開示されたものがあり、特に、そこに記載されたIL-4受容体特異抗体の一部、具体的には、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、そこに記載された抗体、すなわち、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H1O、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1などがあるが、これらに限定されない。] [0093] インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を援用する、米国特許公開公報第US 2004/097712 A1号に開示されたものがあり、特に、そこに記載されたIL1-R1に特異的に結合するタンパク質、具体的には、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、そこに記載されたモノクローナル抗体、すなわち、15CA、26F5、27F2、24E12、および、10H7などがあるが、これらに限定されない。] [0094] Ang2-特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を援用する、国際(PCT)特許出願公開公報第WO 03/057134号、および、米国特許公開公報第US 2003/0229023号に開示されたものがあり、特に、そこに記載されたAng2-特異抗体、および、ペプチボディーなど、具体的には、そこに記載された配列、すなわち、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1著作権、L1著作権1K、2xL1著作権、Con4著作権、Con4著作権1K、2xCon4著作権1K、Con4-L1(N)、Con4-L1著作権、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)などがあるが、これらに限定されず、また、本明細書の一部を構成するものとしてその全内容を援用する、国際(PCT)特許出願公開公報第WO 2003/030833号に開示されたものがあり、特に、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、そこに様々な順序で記載されているAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、Ab1A1、Ab1F、Ab1K、Ab1P、および、Ab1Pなどがある。] [0095] NGF-特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を援用する、米国特許公開公報第US 2005/0074821号および米国特許第6,919,426号公報に開示されたものがあり、特に、NGF-特異抗体および関連タンパク質として、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、そこに記載された4D4、4G6、6H9、7H2、14D10、および、14D11と命名されたNGF-特異抗体などがあるが、これらに限定されない。] [0096] CD22-特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてその全内容を援用する、米国特許第5,789,554号公報にCD22-特異抗体および関連タンパク質に関する開示があり、特に、ヒトCD22-特異抗体について、ヒト型化および完全なヒト抗体が開示されているが、これらに限定されず、また、ヒト型化および完全なヒトモノクローナル抗体について、ヒトCD22-特異IgG抗体、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に対してジスルフィド結合しているヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖の二量体などがあるが、これらに限定されず、そして、例えば、CAS登録第501423-23-0号のエプラツズマブのヒトCD22に特異的な完全なヒト型化抗体などがあるが、これらにも限定されない。] [0097] IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてその全内容を援用する、国際(PCT)特許出願第PCT/US2005/046493号にIGF-1受容体特異抗体および関連タンパク質に関する開示があり、また、その出願には、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L1OH1O、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52と命名されたものや、それらのIGF-lR-結合断片および誘導体などがあるが、これらに限定されない。] [0098] また、本願発明の方法および組成物での使用に供する抗IGF-1R抗体の事例の幾つかが、以下の文献の少なくとも一つにおいて、その一部または全部が記載されている。] [0099] 米国特許公開公報第06/0040358号(2006年2月23日発行)、第05/0008642号(2005年1月13日発行)、第04/0228859号(2004年11月18日発行)は、例えば、抗体1A(DSMZ寄託番号第DSMACC2586号)、抗体8(DSMZ寄託番号第DSM ACC 2589号)、抗体23(DSMZ寄託番号第DSM ACC 2588号)、および、抗体18を開示しているが、これらに限定されない。] [0100] 国際(PCT)特許出願公開公報第WO 06/138729号(2006年12月28日発行)、第WO 05/016970号公報(2005年2月24日発行)、および、Lu et al., 2004, J Biol Chem. 279:2856-65は、抗体2F8、A12、および、IMC-A12を開示しているが、これらに限定されない。] [0101] 国際(PCT)特許出願公開公報第WO 07/012614号(2007年2月1日発行)、第WO 07/000328号公報(2007年1月4日発行)、第WO 06/013472号公報(2006年2月9日発行)、第WO 05/058967号公報(2005年6月30日発行)、および、第WO 03/059951号公報(2003年7月24日発行)。] [0102] 米国特許公開公報第05/0084906号(2005年4月21日発行)は、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト型化抗体7C10バージョン1、ヒト型化抗体7C10バージョン2、ヒト型化抗体7C10バージョン3、および、抗体7H2HMを開示しているが、これらに限定されない。] [0103] 米国特許公開公報第05/0249728号(2005年11月10日発行)、第05/0186203号(2005年8月25日発行)、第04/0265307号(2004年12月30日発行)、および、第03/0235582号(2003年12月25日発行)、ならびに、Maloney et al., 2003, Cancer Res. 63:5073-83は、抗体EM164、再表面形成化EM164、ヒト型化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、および、huEM164 v1.3を開示しているが、これらに限定されない。] [0104] 米国特許第7,037,498号公報(2006年5月2日発行)、米国特許公開公報第05/0244408号(2005年11月30日発行)、および、第04/0086503号(2004年5月6日発行)、ならびに、Cohen, et al., 2005, Clinical Cancer Res. 11:2063-73は、例えば、抗体CP-751,871、それに、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793が付与されたハイブリドーマが産生した抗体、そして、抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、および、4.17.3などを開示しているが、これらに限定されない。] [0105] 米国特許公開公報第05/0136063号(2005年6月23日発行)、および、第04/0018191号(2004年1月29日発行)は、抗体19D12、そして、ATCC受託番号PTA-5214で寄託されたプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)に含まれるポリヌクレオチドによってコードされる重鎖と、ATCC受託番号PTA-5220で寄託されたプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)に含まれるポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖とを含む抗体を開示しているが、これらに限定されない。] [0106] 米国特許公開公報第04/0202655号(2004年10月14日発行)は、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11 A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、および、PINT-12A5を開示しているが、これらに限定されない。] [0107] 本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する前出のタンパク質および本明細書に記載のタンパク質の一部および全部は、それらの配列、特に、IGF-1受容体を標的とする前記した抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などを含む。] [0108] B-7関連タンパク質1-特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質など(「B7RP-1」、文献によっては、B7H2、ICOSL、B7h、および、CD275とも称している)、特に、B7RPに特異的な完全なヒトモノクローナルIgG2抗体、特に、B7RP-1の第一免疫グロブリン様ドメインのエピトープに結合する完全なヒトIgG2モノクローナル抗体、具体的には、活性T細胞に関して、天然受容体のICOSを利用してB7RP-1の相互作用を阻害する抗体、特に、そのような抗体や関連タンパク質に関して、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する2005年7月18日に出願された米国仮特許出願第60/700,265号や国際(PCT)特許出願公開公報第WO 07/011941号には、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、16H(配列番号:1および配列番号:7のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)、5D(配列番号:2および配列番号:9のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)、2H(配列番号:3および配列番号:10のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)、43H(配列番号:6および配列番号:14のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)、41H(配列番号:5および配列番号:13のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)、および、15H(配列番号:4および配列番号:12のそれぞれに記載された軽鎖可変配列および重鎖可変配列を有する抗体)と命名された抗体などを開示しているが、これらに限定されない。] [0109] IL-15特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質など、具体的には、ヒト型化モノクローナル抗体、特に、IL-15特異抗体、および、関連タンパク質に関連して、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する米国特許公開公報第US 2003/0138421号、第US 2003/023586号、および、第US 2004/0071702号、ならびに、米国特許第7,153,507号公報に開示された抗体として、ペプチボディー、それに、HuMax IL-15抗体および関連タンパク質、例えば、146B7を開示しているが、これらに限定されない。] [0110] インターフェロン(IFN)γ特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質など、具体的には、完全なヒト抗IFNγ抗体、例えば、IFNγ特異抗体に関連して、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する米国特許公開公報第US 2005/0004353号に開示された抗体、とりわけ、例えば、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、1118、1118*、1119、1121、および、1121*として、そこで命名された抗体などがある。] [0111] TALL-1特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質など、それに、TALL-1結合タンパク質に関連して、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する米国特許公開公報第2003/0195156号および第2006/135431号に記載されたタンパク質のようなその他のTALL-特異的結合タンパク質として、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全内容を個別的かつ具体的に援用する、その表4および表5Bに記載された分子などがある。] [0112] 副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、例えば、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する米国特許第6,756,480号公報に開示されたもの、具体的には、PTHに結合するタンパク質に関係するものなどがある。] [0113] トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質など として、例えば、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する米国特許第6,835,809号公報に開示されたもの、具体的には、TPO-Rに結合するタンパク質に関係するものなどがある。] [0114] 肝細胞成長因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する米国特許公開公報第US 2005/0118643号、および、国際(PCT)特許出願公開公報第WO 2005/017107号に記載の肝細胞成長因子/散乱因子(HGF/SF)を中和する完全なヒトモノクローナル抗体、米国特許第7,220,410号公報に記載のhuL2G7、そして、米国特許第5,686,292号公報および第6,468,529号公報、ならびに、国際(PCT)特許出願公開公報第WO 96/38557号に記載のOA-5d5のような、HGF/SF:cMet 軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするもの、具体的には、HGFに結合するタンパク質に関係するものなどがある。] [0115] TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する2005年8月31日に出願された米国仮特許出願第60/713,433号、および、2005年8月31日に出願された米国仮特許出願第60/713,478号に開示されたもの、具体的には、TRAIL-R2に結合するタンパク質に関係するものなどがある。] [0116] アクチビンA特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する2006年9月8日に出願された米国仮特許出願第60/843,430号に開示されたもの、具体的には、アクチビンAに結合するタンパク質に関係するものなどがあるが、これらに限定されない。] [0117] TGF-β特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する米国特許第6,803,453号公報、および、米国特許公開公報第2007/110747号に開示されたもの、具体的には、TGF-βに結合するタンパク質に関係するものなどがあるが、これらに限定されない。] [0118] アミロイド-βタンパク質特異抗体、ペプチボディー、関連タンパク質などとして、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する国際(PCT)特許出願公開公報第WO 2006/081171号に開示されたタンパク質、具体的には、アミロイド-βタンパク質に結合するタンパク質に関係するものなどがあるが、これらに限定されない。] [0119] 本願発明のその他のタンパク質の例として、前記した以外の抗体、および、その他のタイプの標的結合タンパク質、ならびに、それらに関係するタンパク質またはそれらに由来するタンパク質、および、タンパク質リガンド、および、それらに由来するタンパク質またはそれらに関係するタンパク質、特に、抗体のFc領域、または、Fc領域に由来する抗体を含むタンパク質などがある。 これらのタンパク質の内で注目すべきは、シグナルタンパク質、および/または、エフェクタータンパク質に結合するリガンド結合タンパク質、および、それらに関係するタンパク質またはそれらに由来するタンパク質である。] [0120] Fc融合タンパク質、それに由来するタンパク質またはそれに関係するタンパク質などの結合タンパク質として、それ単独で、または、ある組み合わせで、以下の一つまたはそれ以上の標的に結合するタンパク質がある。] [0121] (i)CDタンパク質、すなわち、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD30、および、CD34など、受容体との結合に相互作用を及ぼすタンパク質などがあるが、これらに限定されない。] [0122] (ii)HER受容体ファミリータンパク質、例えば、HER2、HER3、HER4、および、EGF受容体など。] [0123] (iii)細胞接着分子、例えば、LFA-1、Mol、p150,95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、および、α v/β3インテグリンなど。] [0124] (iv)成長因子、例えば、血管内皮成長因子(「VEGF」)、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、ミュラー管抑制物質、ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1α)、エリスロポエチン(EPO)、NGF-βなどの神経成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、aFGFおよびbFGFなどの線維芽細胞成長因子、表皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子(TGF)、特に、TGF-α、それに、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、または、TGF-β5などのTGF-β、インスリン様成長因子-Iおよび-II(IGF-IおよびIGF-II)、des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、および、骨誘導因子などがあるが、これらに限定されない。] [0125] (v)インスリン、および、インスリン関連タンパク質、すなわち、インスリン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、および、インスリン様成長因子結合タンパク質などがあるが、これらに限定されない。] [0126] (vi)凝固タンパク質、および、凝固関連タンパク質、すなわち、因子VIII、組織因子、フォンヴィレブランド因子、タンパク質C、α-1-抗トリプシン、プラスミノゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼや組織プラスミノゲン活性化因子(「t-PA」)など、ボンバジン、トロンビン、および、トロンボポエチンなど。] [0127] (vii)コロニー刺激因子(CSF)およびその受容体、すなわち、M-CSF、GM-CSF、および、G-CSF、それに、これらの受容体、例えば、CSF-1受容体(c-fms)など。] [0128] (viii) その他の血漿タンパク質および血清タンパク質、例えば、アルブミン、IgE、および、血液型抗原などがあるが、これらに限定されない。] [0129] (ix)受容体、および、受容体関連タンパク質、例えば、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、成長ホルモン受容体、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」、「c-mpl」)、グルカゴン受容体、インターロイキン受容体、インターフェロン受容体、T細胞受容体、および、本明細書に記載されたその他の受容体など。] [0130] (x)神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、および、神経栄養因子-3、-4、-5、または、-6(NT-3、NT-4、NT-5、または、NT-6)などがあるが、これらに限定されない。] [0131] (xi)レラキシンA鎖、レラキシンB鎖、および、プロレラキシン。] [0132] (xii)インターフェロン、および、インターフェロン受容体、例えば、インターフェロン-α、-β、および、-γ、それに、インターフェロン-α、-β、および、-γ受容体など。] [0133] (xiii)インターロイキン(IL)、および、インターロイキン受容体、例えば、IL-1〜IL-15、および、IL-1〜IL-15受容体、例えば、IL-8受容体などがあるが、これらに限定されない。] [0134] (xiv)ウィルス抗原、例えば、AIDSエンベロープウィルス抗原などがあるが、これらに限定されない。] [0135] (xv)リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、ナトレコール(ネシリチド、rhB型ナトリウム利尿ペプチド)、肺表面活性剤、腫瘍壊死因子-αおよび-β、エンケファリナーゼ、RANTES(血小板やT細胞由来の好酸球走化性物質)、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、デオキシリボヌクレアーゼ、インヒビン、および、アクチビンなど。] [0136] (xvi)インテグリン、タンパク質AまたはD、リウマチ因子、抗毒素、骨形成タンパク質(BMP)、スーパーオキシドジスムターゼ、表面膜タンパク質、分解促進因子(DAF)、AIDSエンベロープ、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、イムノアドヘシン、抗体など。] [0137] (xvii)ミオスタチン、TALLタンパク質、例えば、TALL-1など、アミロイドタンパク質、例えば、アミロイド-βタンパク質などがあるが、これに限定されず、また、胸腺間質性リンパ球新生因子(「TSLP」)、RANKリガンド(「OPGL」)、c-kit、TNF受容体、例えば、1型TNF受容体など、TRAIL-R2、アンジオポイエチンなど。] [0138] (xvii)前掲のいずれかの物質の生物学的に活性な断片または変異体。] [0139] 前掲のすべての物質に関して、特に意図しているものは、有効な治療剤となるタンパク質、とりわけ、標的に結合して治療効果を奏するもの、特に、前掲の標的の中でも、それらタンパク質に由来する標的、それらタンパク質に関係する標的、および、それらタンパク質の変性体などがある。] [0140] これらタンパク質の各々は、イオン交換体などのクロマトグラフィー媒体に対して非共有結合して固定化される。イオン交換クロマトグラフィーは、タンパク質表面の荷電残基と、ビーズに固定されたリガンドまたは官能基との間の相互作用を利用する。 通常、リガンドまたは官能基は、ビーズに対して共有結合する。イオン交換ビーズに結合しているタンパク質は、効果的にその表面荷電をブロックしている。 一般的に、IgGは、約7.5〜8.5のpIを有している。 例えば、pH 5において、IgG分子は、陽イオン交換ビーズに結合する。 さらに、中性を超えるpHでは、IgG分子は、陽イオン交換ビーズに結合することができない。本願発明は、即時使用に適した注射器のような薬剤充填済送達手段での長期貯蔵に有用なIgG分子の安定な固体製剤における陽イオン交換ビーズの使用を提供する。 抗体のようなタンパク質の固相製剤が、例えば、pH 5において、抗体製剤を、陽イオン交換ビーズなどのイオン交換体に結合させて調製される。免疫グロブリンGのための最も一般的な緩衝剤は、10mM酢酸塩、pH 5、および5%ソルビトール(A5S)であり、このものは、固体製剤を調製するために用いることができる多様な緩衝剤の一つである。投与した直後、通常は、最初の投与が行われた時に、タンパク質、例えば、抗体製剤は、7またはそれ以上のpHにおいて、緩衝剤を用いて溶出される。投与薬剤に一般的に用いられているリン酸緩衝食塩水は、溶出用緩衝剤の一例である。 7またはそれ以上のpHにおいては、タンパク質、例えば、抗体は、荷電を失い、そして、ビーズに結合することができなくなる。 この製剤の利点として、(1) 固相製剤は、拡散を抑制し、また、室温下であっても貯蔵安定性を改善すること、(2) ビーズなどのイオン交換体(例えば、陽イオン交換体)に結合することで、表面荷電残基を中和して、塩橋およびイオン相互作用を通じて誘発される凝固を制限すること、(3) 固体製剤が、静脈内、皮下、および、腹腔内投与などの注射経路に適用可能であること、そして、(4) 固体製剤が、pH 5において、沈殿を形成したり、不安定であるタンパク質についても有用である、などのことがある。 本願発明の治療法は、抗体、ペプチドホルモン、成長因子、ペプチドアゴニスト、ペプチドアンタゴニストなどのタンパク質を用いるものである。治療用タンパク質の例として、様々な形態のエリスロポエチン、例えば、ダルベポエチンアルファ(すなわち、アラネスプ登録商標)、ならびに、エタネルセプト(例えば、エンブレル登録商標)、フィルグラスチム、または、組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子(例えば、ニューポジェン登録商標)、それに、治療用タンパク質のペグ化物質(例えば、ペグフィルグラスチム、例えば、ニューラスタ登録商標)など、それらの誘導体などがあるが、これらに限定されない。 治療用タンパク質のその他の例として、ハーセプチン登録商標(トラスツズマブ)、トラスツズマブ-DM1(トラスツズマブ-DM1複合体)、アバスチン登録商標(ベバシズマブ)、リツキサン登録商標(リツキシマブ)、ゾレア登録商標(オマリズマブ)、アクティベース登録商標(アルテプラーゼ)、TNKase登録商標(アクティベース変異体)、ルーセンティス登録商標(ラニビズマブ)、ニュートロピン登録商標(ソマトロピン)、パルモザイム登録商標(ドルナーゼアルファ、組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼ)、ラプティヴァ登録商標(エファリズマブ)、タルセバ登録商標(エルロチニブ)、ALTU-238、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗IFNα、抗β7インテグリン抗体、抗OX40リガンド抗体、ヒトAPO2L/TRAIL、アポマブ、BR3-Fc融合タンパク質、メトマブ(抗メト抗体)、パーツズマブ、レミケード(インフリキシマブ)、モノクローナル抗体テラ、シナジス(パリビズマブ)、ヒュミラ、レオプロ(アブシキシマブ)、エファリズマブ、アレファセプト、アバタセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、抗TNFα抗体、サイトカイン、抗サイトカイン抗体などがある。 本願発明のある特定の実施態様によれば、治療用タンパク質は、陽イオン交換体に吸着した溶出液のpHと同等またはそれに満たないpIを有するタンパク質として提供され、また、陰イオン交換体に吸着した溶出液のpHと同等またはそれを超えるpIを有するタンパク質としても提供される。] [0141] タンパク質のpIまたは等電点は、経験的に容易に決定され、また、当業者は、そのアミノ酸配列に基づいてタンパク質のpIを見積もる上で有用な様々なアルゴリズムを理解している。イオン交換樹脂は、通常、正荷電または負荷電を帯びたイオン性化学基および単一の化学基を有する固形の多孔性網状構造(無機物または有機物または混合物)のものである。 正荷電を帯びたイオン性化学基(陰イオン交換体)として、例えば、第4級、第3級、および、第2級アミン、それに、ピリジン誘導体などがある。 負荷電を帯びたイオン性化学基(陽イオン交換体)として、例えば、スルホン酸塩、カルボン酸塩、および、リン酸塩などがある。 イオン交換樹脂は、結合させるタンパク質の性質に応じて選択する。] [0142] タンパク質のような両性化合物に関しては、それら化合物のpIや、様々なpHでのそれらの安定性に応じて、固定化方法が決定される。 それらのpIを超えるpHにあっては、対象とするタンパク質に負荷電を帯電させ、また、それらのpIに満たないpHにあっては、対象とするタンパク質に正荷電を帯電させる。 したがって、対象とするタンパク質のpIを超えるpHにおいて、そのタンパク質が安定であれば、陰イオン交換樹脂が用いられる。 これとは逆に、対象とするタンパク質のpIに満たないpHにおいて、そのタンパク質が安定であれば、陽イオン交換樹脂が用いられる。 操作中のpHによって、使用するイオン交換体のタイプを決定することもできる。 強いイオン交換樹脂は、広範なpH範囲において、その交換性能を発揮するが、そうでないイオン交換樹脂では、pHと官能基のpKaとが適合しなくなると、その性質を喪失してしまう。] [0143] 陰イオン交換体は、その交換性能の強弱に応じて分類することができる。 弱い陰イオン交換体での荷電基は、弱塩基であり、このものは、脱プロトン化され、そして、高いpHで荷電を失う。ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロースは、弱い陰イオン交換体の一例であり、このセルロースによれば、約9に満たないpHでは、アミノ基に正荷電が帯電しており、また、pHが高くなるに従い、荷電が徐々に失われていく。 その一方で、強い陰イオン交換体は、第4級アミンのような強い塩基を有しており、このものは、イオン交換クロマトグラフィーで普段用いられているpH範囲(pH2〜12)の全般において正荷電を維持する。陽イオン交換体も、その交換性能の強弱に応じて分類することができる。 強い陽イオン交換体は、pH1〜14において荷電を維持する強酸(スルホプロピル基など)を含んでおり、また、弱い陽イオン交換体は、約4.5に満たないpHにまでpHが低くなるに従い、その荷電を徐々に失う弱酸(カルボキシメチル基など)を含んでいる。] [0144] ある実施態様によれば、第4級アミンやスルホン酸などの強いイオン交換体が利用されている。 例えば、5〜8のpIを有するタンパク質を固定する場合には、第3級アミンやカルボン酸などの弱いイオン交換体を利用することもできる。] [0145] 本願発明のクロマトグラフィー媒体として、セファロースイオン交換体、セファロースCLイオン交換体、セファロース高速イオン交換体、および、セファロース高性能イオン交換体のような、荷電した化学基が結合しているマクロ多孔性のビーズ状架橋アガロースからなるイオン交換体などがある。 荷電した化学基のタイプが、イオン交換体のタイプや強度を決定し、その一方で、荷電した化学基の総数や利用可能性が、イオン交換体の性質を決定する。 これら吸着剤、または、塩基性媒体を、カルボキシメチル基をもたらすように誘導することで、弱い陽イオン交換体が形成され、その一方で、スルホプロピル、または、メチルスルホン酸塩をもたらすように誘導することで、強い陽イオン交換体が形成される。ジエチルアミノエチル(DEAE)基をもたらすように誘導することで、弱い陰イオン交換物質が形成され、その一方で、第4級アミノエチル(QAE)または第4級アンモニウム(Q)をもたらすように誘導することで、強い陰イオン交換体が形成される。 その他にも多くのイオン交換体が当該技術分野で周知であり、それらのいずれもが、本願発明の組成物、送達手段、および、方法において好適に利用できる。 その例として、その他の公知の強い陰イオン交換体として、UNO Q-1、ポロス50 HQ、トヨパールQAE 550c、セパロンヘマビオ1000Q、Q-セルスルビッグビーズプラス、および、トヨパールスーパーQ 650sなどがある。 1997年の時点で、70種類を超えるイオン交換体が市販されており(本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用するLevison et al., J. Chromatogr. A 760:151-158 (1997))、その時点からようやく、選択の幅が広がってきた。] [0146] イオン交換体以外にも、疎水性の相互作用性交換体を用いても、安定なタンパク質製剤、例えば、治療用タンパク質を得ることができる。 この実施態様では、添加液のイオン強度と溶出液のイオン強度は異なっており、溶出液のイオン強度は、添加液のイオン強度よりも小さい。 疎水性の相互作用性交換体に固定された治療用タンパク質を含む薬剤充填済送達手段のために用いる溶出液として、リン酸緩衝食塩水がある。 疎水性の相互作用性クロマトグラフィー(HIC)において有用であることが公知の従来の添加液を、本願発明のこの実施態様において有用な添加液として利用することも意図している。 HICにおいて有用であることが公知の溶出液を、本願発明のこの実施態様において有用な溶出液として利用することも期待されている。 さらに、そのイオン強度が小さくなるように修飾が施された添加液を、本願発明のこの実施態様において有用な溶出液として利用することも含む。] [0147] クロマトグラフィー媒体として、アフィニティークロマトグラフィー媒体を用いることもできる。 一般的に、アフィニティークロマトグラフィー媒体とは、クロマトグラフィー媒体に結合するタンパク質、例えば、治療用タンパク質に対して特異的な相互作用性を示す化合物(すなわち、結合パートナー)が直接的または間接的に結合する基体である。本願発明のある特定の実施態様によれば、この結合パートナーとは、結合するタンパク質に対するリガンドである。 実際のところ、クロマトグラフィー媒体に結合するタンパク質は、部分的または全体的に精製がされるので、そのような状況下では、結合パートナーの結合特異性が、そのタンパク質にだけ及ぶように限定される必要はない。 意図している使用を行っている間に、結合パートナーが実質的に基材から脱落しないのであれば、クロマトグラフィー基材に対する結合パートナーの結合は、共有結合または非共有結合のいずれでもよい。 さらに、結合パートナーは、クロマトグラフィー基材に対して直接に結合することができ、あるいは、当該技術分野で周知のリンカー、アダプター、または、結合分子を介して結合することができ、そのような介在要素として、タンパク質(例えば、ペプチド)分子などがあるが、これらに限定されない。] [0148] 入手したイオン交換体の結合性は、イオン交換体の製造において用いられる基本媒体の誘導に関係する直接的化学手法を鑑みれば、多様に調整することができる。 イオン交換体の性質は、当該技術分野で周知の変数や、当業者の裁量によって決定される。 例えば、結合性は、入手した治療用タンパク質の比活性度、治療用量での活性の量または活性の範囲、それに、治療用量の所望の体積での望ましい体積または体積の範囲など、を考慮して決定されることとなる。] [0149] タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体132(図1を参照)の分量、つまり、体積は、本願発明の薬剤充填済注射器の総容積を規定する。 この総容積は、空隙容量(すなわち、クロマトグラフィー媒体の総容積の内の空気の体積とその他の液体の体積)とも関係しており、この空隙容量は、生物、例えば、ヒトへの送達において、治療上の送達効果よりも重要で、さほど有害でない添加液の量に匹敵するものとして考えられている。] 図1 [0150] 添加液が、比較的に極端なpH、および/または、イオン強度を有している場合には、治療用タンパク質の固定を行ってから、洗浄液を薬剤充填済注射器に加えることができる。] [0151] 一般的に、このような洗浄液は必要がないと考えられているが、当業者であれば、治療用タンパク質の送達の一部として行われる治療用タンパク質の溶出に先駆けて、固定の後に洗浄液を使用することが好適である状況は認識できるであろう。] [0152] イオン交換体の正味電荷と正反対の正味電荷を治療タンパク質に維持することができる添加液を意図している。 イオン交換体に対する治療用タンパク質の結合に、イオン強度が顕著な影響を及ぼさない限りは、添加液のイオン強度は多様に調整することができる。] [0153] 一般的に、添加液のイオン強度μ=1/2Σcizi2(式中、cは、イオン種iの電 荷であり、zは、そのイオンの電荷である)は、入手した固定化型の治療用タンパク質を調製および使用する際に組み合わせられる溶出液のイオン強度よりも小さいか、あるいは、同等であると考えられている。 添加液として好適に利用されるタンパク質緩衝剤は、一般的には、1〜200mMの濃度の緩衝剤として調製される。 添加液の例として、タンパク質緩衝剤、例えば、リン酸緩衝食塩水、リン酸塩緩衝剤、CAPS(シクロヘキシルアミノ-1-プロパンスルホン酸)、CAPSO(シクロヘキシルアミノ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸)、カコジル酸塩、クエン酸塩、グリシン塩酸塩、HEPES(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N'-[2-エタンスルホン酸])、イミダゾール、MES(モルホリノエタンスルホン酸)、MOPS(3-[N-モルホリノ]-プロパンスルホン酸)、NEM(N-エチルモルホリン)、PIPES(ピペラジン-1,4-ビス-(2-エタンスルホン酸))、トリエタノールアミン、トリス(塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩)、ビシン(ビス-(2-ヒドロキシエチル)-グリシン)、TAPS(トリス-(ヒドロキシメチル)-メチル]-3-アミノプロパンスルホン酸)、TES(トリス-(ヒドロキシメチル)-メチル]-2-アミノエタンスルホン酸)、トリシン(N-トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン)、ACES(アセタミド-2-アミノエタンスルホン酸)、ADA(アセタミド-イミノ2酢酸)、BES(ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、および、当該技術分野で周知のタンパク質またはペプチドと共に好適に利用されるその他の緩衝剤などがある。 タンパク質緩衝剤が有用な緩衝作用を示すpHの範囲(通常は、緩衝剤として用いる化合物のpKaの±1の範囲のpH)は、当該技術分野で周知の事項であり、これに基づいて、緩衝剤の選択を行うこととなる。 緩衝剤のpHの範囲の例として、酢酸塩(pH 4.2〜5.2)、MES(pH 5.5〜6.9)、HEPES(pH 6.8〜8.2)、および、NEM(pH 7.2〜8.5)などがある。] [0154] 溶出緩衝液とは、好ましくは、予測可能な形態、すなわち、所定量の溶出緩衝剤を通すことで所定量の治療用タンパク質を確実に溶出する、治療用タンパク質を脱離または溶出するに十分なpHとイオン強度を兼ね備えた生体適合性緩衝剤である。 このクロマトグラフィー媒体は、圧力駆動液体に対する抵抗性を示し、非共有結合したタンパク質の効果的な溶出を促す。 溶出緩衝液は、当該技術分野で周知の投与可能な体積の緩衝剤において治療有効量の治療用タンパク質を脱離するに十分なpHまたはイオン強度を有している。 さらに、陽イオン交換体または陰イオン交換体に固定された治療用タンパク質に対して利用する溶出緩衝液は、好ましくは、媒体にタンパク質がさらに結合できなくなるすべく、タンパク質、および/または、媒体に帯電した電荷を調節するpHを有するものとする。 溶出用緩衝剤の例として、リン酸緩衝食塩水、リン酸塩緩衝剤、CAPS、クエン酸塩、グリシン塩酸塩、HEPES、MES、MOPS、PIPES、トリス(塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩)、ビシン、トリシン、および、当該技術分野で周知のタンパク質またはペプチドと共に好適に利用されるその他の緩衝剤などがある。 タンパク質の溶出に関するその他の方法として、溶出緩衝液のイオン強度を調節する方法がある。 イオン強度(塩濃度)が大きくなると、タンパク質とイオン交換体との間の電荷間の相互作用が緩和される。 つまり、塩濃度を高めると、媒体からタンパク質が溶出されることとなる。 一般的に、クロマトグラフィー媒体は、イオン強度の大きな緩衝剤でのタンパク質に対する結合性は小さいので、一般的に、溶出緩衝液は、イオン強度を調整して治療用タンパク質の脱離を図っている方法、システム、送達手段、および、キットで用いられている添加液よりも大きなイオン強度を有することとなる。 イオン強度の大きな緩衝剤の体積は、哺乳動物(例えば、ヒト)などの投与対象体については比較的微量を投与するだけでよく、したがって、浸透圧の予期せぬ変化などの健康に有害な作用を及ぼすに十分な、血液や、その他の体液または組織のイオン強度に顕著な変化を及ぼさないものと考えられる。] [0155] クロマトグラフィー媒体を滅菌するための好適な手段の一つに、オートクレーブによる手段がある。アフィニティクロマトグラフィー物質、タンパク質(例えば、治療用タンパク質)、注射器または点滴モジュールの形態の送達手段、および、パケットは、X線を照射したり、あるいは、(液体または気体の)殺菌薬を含む流体に曝すなどして、滅菌をすることができる。 治療用タンパク質などのタンパク質を、そのような流体に対して曝す場合には、それら流体は、タンパク質に対しては化学的に不活性のものとする。 当該技術分野で周知の通り、X線照射によって、好ましくないレベルにまでタンパク質が化学分解されることのないように、タンパク質へのX線の照射は、X線のタイプおよびレベルに関して調節がされる。許容できないレベルとは、生体内で検出可能な毒性作用を生成するレベル、あるいは、分量、体積および費用の観点から、不十分なレベルでしかタンパク質の活性を抑えられないレベルのことを指す。] [0156] 化合物の混合物についての通常の分別または分離において、イオン交換クロマトグラフィーは、固定相での荷電基と移動相で認められる化合物の荷電との間の相互作用に起因する、それら化合物での(移動相と固定相との間の)異なる分配行動を利用している。イオン交換カラムの固定相を、正電荷を帯びた陽イオン交換体、または、負電荷を帯びた陰イオン交換体とすることができる。 これら荷電群は、十分な電荷を帯びた試料分子を用いたクロマトグラフィーを行っている間に置換される対イオン、すなわち、正反対の荷電を帯びた移動相の対イオンによって中和される。 好ましくは、S-セファロース高速陽イオン交換体の架橋アガロースのような架橋カラムを用いる。 あるいは、膜を利用したカラムを用いることも可能である。 通常、このカラムについては、治療用タンパク質を通した後に、比較的に中性域のpH(例えば、pH 6.5〜7.5)の生体適合性緩衝剤を用いて洗浄が行われる。洗浄用緩衝液の例として、20mMHEPES緩衝剤、pH 7.5などがある。 この抗体は、生理学的濃度(すなわち、0.154 M)の塩化ナトリウムを含んだ同じ緩衝液で溶出することができる。] [0157] 試料の等電点(pI)から±1の範囲のpHを示す移動相が好ましい。陰イオン交換カラムとしては、試料の等電点から+1のpHを示す移動相が適切であり、陽イオン交換体としては、試料の等電点から−1のpHを示す移動相が効果的である。] [0158] 抗体の投与量は、治療対象の病態や治療を受けている患者の状態に応じて加減されることとなるが、大人の患者に関しては、約1mg〜約100mgの治療用抗体タンパク質、好ましくは、1〜10mgを、通常は、毎日、1〜30日の期間にわたって投与を行う。二段階投与計画、すなわち、1〜5mgを、5〜10日の期間にわたって投与し、次いで、6〜15mgを、さらに5〜10日の期間にわたって投与する投与計画が好ましい。] [0159] 本願発明の様々な実施態様に関する一般的な説明を行ってきたが、本願発明の実施例を以下に記載する。 すなわち、実施例1は、in vitro実験に関するものであり、そして、実施例2は、ずり応力が及ぼす効果を検証した結果を開示しており、さらに、実施例3は、治療用タンパク質の標的投与実験に関するものである。] [0160] 実施例1 安定性 治療用タンパク質の固体製剤を、8.5〜9のpIを示す完全なヒトIgG抗Trail受容体2(TR-2)モノクローナル抗体であり、図16に関連して記載されたアゴニスト抗TRAIL-R2抗体(本明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する2005年8月31日に出願された米国仮特許出願第60/713,433号、および、2005年8月31日に出願された米国仮特許出願第60/713,478号に記載された抗体などの抗体)を用いて、in vitroで、実証を行った。 この実験の実施に際して用いた物質として、ピアス社(ロックフォード、イリノイ州)から購入したトリフルオロ酢酸(TFA)、蟻酸(FA)、および、グアニジン塩酸塩(GdnHCl)などがある。シグマ-アルドリッチ社(セントルイス、ミズーリ州)からは、ジチオスレイトール(DTT)とヨードアセトアミド(IAM)を購入した。 VWRインターナショナル社(ウエストチェスター、ペンシルベニア州)からは、HPLC等級水とアセトニトリル(ACN)を購入した。ロシュ社(インディアナポリス、インディアナ州)からは、ペプシンとトリプシンを購入した。] [0161] IgGおよびIgG断片に関する逆相クロマトグラフィー分離を、2×150mmのバリアンジフェニルカラムを装備したアジレント1100HPLCシステムを用いて実施した。 20mgのタンパク質試料をいつも通りに注入し、そして、直線勾配、すなわち、溶離液Aが0.1%水性トリフルオロ酢酸(TFA)であり、そして、溶離液Bが0.1%TFAの90%アセトニトリルである直線勾配A-Bを用いて、40分かけて溶出を行った。稼働中の流量および温度は、それぞれ、200μl/分および75℃に維持した。] [0162] 5mM TCEPを含む変性緩衝剤(7.5Mグアニジン塩酸塩(GdnHCl)、120mM酢酸ナトリウム、pH 5.0)において、2mg/mlのLysCを用いて、制限タンパク分解を行った後に、0.5mlのIgGまたはIgG試料を、37℃で、30分間かけて、インキュベーションすることによって、IgG分子の還元を行った。] [0163] 10mgのアゴニスト抗TRAIL-R2抗体を含むA5S緩衝剤(10mM酢酸ナトリウム、pH 5.0、5%ソルビトール)を、弱い陽イオン交換(WCX)であるカルボキシメチル(CM)セファロースクロマトグラフィー媒体に対して加えた。 図16のレーン1は、素通り画分(すなわち、媒体に結合していない画分)のポリアクリルアミドゲル電気泳動図(PAGE分析)である。 素通り画分が、アゴニスト抗TRAIL-R2抗体に関する著量のバンドを含んでおらず、このことは、加えた大半の画分がカラムに結合したことを示すものである。 次いで、この媒体を、10mlのpH5の添加液で洗浄をした。 図のレーン2は、洗浄画分を示している。 図から、pH5の洗浄画分には、アゴニスト抗TRAIL-R2抗体が含まれていないことが読み取ることができ、このことは、pH5では、大半のタンパク質がカラムに結合したことを示すものである。 pH5では、タンパク質は正電荷を有しているが、WCXは負電荷を帯びているため、WCX媒体に対するタンパク質の結合が形成されることとなる。 図16のレーン3は、1Mトリス-塩酸、pH8を用いて媒体から溶出させた画分を示している。 トリス緩衝剤の高いpH(タンパク質に対して負電荷を付与するpH)と大きなイオン強度との組み合わせは、アゴニスト抗TRAIL-R2抗体の溶出を促し、この溶出は、ゲル上のバンドとして出現した。 これらのデータは、pH5において、IgGがWCX媒体に結合していること、そして、高いpHとイオン強度を示す緩衝剤でIgGが容易に溶出することを示している。治療用タンパク質に対してイオン交換ビーズが結合および固定され、また、固定したタンパク質の洗浄が不純物の除去に適しており、そして、生理学的に許容可能な緩衝剤を用いてタンパク質は定量的に溶出されていたので、イオン交換体にタンパク質を固定することによって、安定貯蔵可能な形態の治療用タンパク質を提供する方法は機能的であると言える。] [0164] 本願発明の方法、送達手段、および、システムの一般的な利用可能性は、本明細書の開示を参照すれば、当業者に自明である。 この一般的な利用可能性を裏付けるべく、表1には、幾つかの治療用タンパク質を含む薬剤充填済送達手段を調製および使用するための好ましい条件が記載されている。 表1の第2欄に記載されたイオン交換体は、イオン交換に関与する官能基(例えば、カルボキシメチル、スルホプロピル基)、すなわち、幾つもの吸着剤(例えば、セファロース、セファクリル、セルロース、トリスアクリル)に結合することができる官能基でもってして記載してある。 所定のpIを示すタンパク質に適したクロマトグラフィー媒体、添加液のpH、それに、溶出液のpHについてのその他の指標を、表2に記載してある。] [0165] ]
权利要求:
請求項1 以下の要素、すなわち、(a)送達手段、すなわち、(i)陽イオン交換体、陰イオン交換体、および、疎水性の相互作用性交換体からなるグループから選択されるクロマトグラフィー媒体、すなわち、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体が設置されている少なくとも一つのチャンバー、(ii) 導入口、および、(iii) 当該送達手段からの媒体の実質的な流亡を防ぐための媒体量制限器、を含む送達手段、および、(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質の放出量が較正された溶出液、を含むシステム。 請求項2 前記媒体量制限器が、フィルター、および、排出口からなるグループから選択される請求項1に記載のシステム。 請求項3 前記治療用タンパク質が、抗体である請求項1に記載のシステム。 請求項4 前記媒体が、カルボキシメチル基、スルホプロピル基、および、メチルスルホン酸基からなるグループから選択される官能基を含む陽イオン交換体である請求項1に記載のシステム。 請求項5 前記送達手段が、当該媒体を含むチャンバーからの媒体の流亡を防ぐためのインラインフィルターをさらに含む請求項1に記載のシステム。 請求項6 前記送達手段が、注射器である請求項1に記載のシステム。 請求項7 前記注射器が、二つのチャンバーを具備しており、その内の一方のチャンバーに媒体が集約されている請求項6に記載のシステム。 請求項8 前記注射器が、当該二つのチャンバーを互いに分離する感圧バリアをさらに含む請求項7に記載のシステム。 請求項9 前記媒体が、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合した請求項7に記載のシステム。 請求項10 以下の工程、すなわち、(a)治療用タンパク質に非共有結合した媒体を含むチャンバーに対して、少なくとも所定量の媒体を加え、および(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質を溶出するために、溶出液の体積を決定する、工程を含む、請求項1に記載のシステムの製造方法。 請求項11 以下の要素、すなわち、(a)陽イオン交換体、陰イオン交換体、アフィニティー媒体、および、疎水性の相互作用性交換体からなるグループから選択されるクロマトグラフィー媒体、すなわち、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体が設置されている少なくとも一つのチャンバー、(b) 導入口、および、(c)送達手段からの媒体の実質的な流亡を防ぐための媒体量制限器、を含む送達手段。 請求項12 前記媒体量制限器が、フィルター、および、排出口からなるグループから選択される請求項11に記載の送達手段。 請求項13 前記治療用タンパク質が、抗体である請求項11に記載の送達手段。 請求項14 前記媒体が、カルボキシメチル基、スルホプロピル基、および、メチルスルホン酸基からなるグループから選択される官能基を含む陽イオン交換体である請求項11に記載の送達手段。 請求項15 前記送達手段が、当該媒体を含むチャンバーからの媒体の流亡を防ぐためのインラインフィルターをさらに含む請求項11に記載の送達手段。 請求項16 前記送達手段が、注射器である請求項11に記載の送達手段。 請求項17 前記注射器が、二つのチャンバーを具備しており、その内の一方のチャンバーに媒体が集約されている請求項16に記載の送達手段。 請求項18 前記注射器が、当該二つのチャンバーを互いに分離する感圧バリアをさらに含む請求項17に記載の送達手段。 請求項19 前記媒体が、少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合した請求項17に記載の送達手段。 請求項20 個体に治療用タンパク質を投与する方法であって、以下の工程、すなわち、(a) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質に非共有結合した媒体、すなわち、注射器の一つのチャンバー、または、少なくとも一つのチャンバーを含む点滴モジュールに閉じ込めた媒体と溶出液とを接触させ、(b) 少なくとも一つの治療有効用量の治療用タンパク質を溶出し、および、(c) 溶出した治療用タンパク質を注射器または点滴モジュールから放出し、それにより、個体に対して治療有効用量の治療用タンパク質を投与する、工程を含む、個体に治療用タンパク質を投与する方法。 請求項21 前記治療用タンパク質が、抗体である請求項20に記載の方法。 請求項22 前記接触工程が、媒体を含むチャンバーの導入口を覆っている液体を通さないバリアを破ることを含む請求項20に記載の方法。 請求項23 注射器の内面に対して密閉嵌合したヘッド部材を含むシリンジプランジャーを作動させることによって、バリア膜に液圧を付加することで前記バリアを破る請求項22に記載の方法。 請求項24 タンパク質を投与するための点滴モジュールまたは注射器を含むキットであって、当該点滴モジュールまたは注射器が、タンパク質に非共有結合したクロマトグラフィー媒体、および、それらの使用に関する指示事項を記した添付書面を含む、キット。
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